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アトピー研究の動機

 昭和59年に医師免許を取得した私は東京大学医学部付属病院で研修を始めました。当時の自分は二つの道のどちらを選ぶかで迷っていました。一つは臨床家として困っている人を助ける道、もう一つは研究者として世界一流の発見をする道でした。小児科学教室に入局後すぐに休暇をもらって単身タイの山村でのボランティアに出かけました。当時タイではエイズの流行が始まったばかりで病気の知識も治療技術も医療器材も医薬品も全てが不足していました。病気が流行すると病院には患者用のベッドも不足し、廊下に釘を打ち付けて点滴を受けさせる状況でした。数週間のボランティア勤務で実感したことは自分の力不足、小さな二本の手で助けることの出来る人の数は一生かかっても数百人に満たないだろうと謂う悲観的な現実の実感でした。東大病院に戻り多くの優秀な先輩に学ぶ中で自分は研究者として生きようと決意しました。良い研究をすれば何万人いや何百万人の人々を幸せに出来るはずだ・・これが自分に研究者への道を指し示した最初の思いでした。静岡県の病院に赴任して小児科臨床医として働くようになった私は当時決定的な治療法を模索していたアトピーの撲滅の為の研究をライフワークに選びました。
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新生児室で学ぶ

病院勤務時代にアレルギーと共に私の心を捉えたのは新生児医療でした。当時は肺サーファクタント療法が普及し始めた時期で1000g未満の未熟児の呼吸管理が飛躍的に進歩していました。私達も精密な全身管理で如何に極小未熟児を健常児に育てるかの技術を競い合っていました。当時助けた小さな命が20年以上経って立派な大人になり社会で活躍している姿を見るのは小児科医として嬉しい限りです。
未熟児は免疫抵抗力が弱いので徹底した衛生管理が必要です。病院では未熟児に限らず無菌=清潔で健やかな生育と考える面が強くあります。アレルギーという病気は百年前には地球上に極僅かしか有りませんでした。私が当時興味を持っていたテーマはどうしてアレルギーが百年間で急に増えたのか?という病気の増減を研究する疫学です。その中で病院で出産される子どもの多い地域でアレルギーが早くから増加した点に注目しました。病院出産の何処にアレルギー増加の秘密が隠れているのか?私は極度な清潔管理に有るのではないかと仮説を立てました。
しかし新生児を不衛生に扱うなどと医学の常識に反する考え方は病院内では絶対に許されません。私は自分の夢と研究を続けるために独立開業する道を選びました。

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家族を実験台に

 開業後の数年間はアトピーの根本的治療法を発見するために民間療法と言われる物を含めて殆どの治療方法を自分自身で試しました。当時は静岡県ばかりではなく他府県からも高い治癒率を求めて当院を訪れる患者さんが多く、ステロイドを拒否するなど独自の治療観をお持ちの患者さんからも沢山の事を勉強できました。患者さんの交流会や勉強会も積極的に開催して情報交換も盛んでした。私の家族にもアトピーの者が居たので最初のテストは殆ど自分の家族で安全性と有効性を確かめました。家族で安全性が確かめられない治療法は患者さんには奨めませんでした。家族に出来ない治療は他者に奨めない事を一つの倫理観としてアトピーの治療法を探し続けたのです。私の4人の子供達は生まれた直後から実験台となり乳児期から腸内細菌を接種する方法を研究しました。家族が父親の医学実験に貢献し、お陰で今日のアトピーの予防+治療法が進歩したのです。患者さんに対しても十分な安全性と効果が期待できる治療を最優先して使い続けました。治療を目的にクリニックを訪れた患者さん達を研究目的で実験材料にしないことが自分の倫理観でした。

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漢方薬を使う

腸内細菌を使うアトピー発病のブロック方法を完成するまでの期間に私が一番熱心に手掛けたのは漢方薬を使った治療法でした。漢方薬は全身のバランスがどのように崩れているかを陰陽虚実の類証診断で判定します。アトピーに効く漢方薬と言うのが有るわけではなく患者さんがどのような原因でアトピーになっているかを外から診る所見で判定して生薬の組み合わせを考えます。体質改善と表現する人もいますが体質でなく体の方向性を正す治療だと考えています。こどものアトピー性皮膚炎の治療にも漢方薬は証が合えば劇的な効果が現れることが少なくありません。今までの治療の中で乳幼児のアトピー性皮膚炎には血液の循環を直す理血剤が有効なケースが多いことにも気付きました。ブロックできずに発病してしまったアトピー児には漢方治療は有効な方法だと考えています。漢方治療の中から発病原因に適した治療法を探る努力が続きアトピーを血液の病気だと考えることから今日の腸内細菌でのアトピー予防法が発見されました。

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食事アレルギーの謎

1990年代前半はアトピー性皮膚炎を治療する中でどうしても解らない事が有りました。アレルギー学会で高名な先生に質問しても当時は誰も教えてくれません。『口から入った食べ物がどうやって皮膚まで行ってアレルギーを起こすのか』と言う疑問です。20年ぐらい前までは皮膚科医の間では『食べ物アレルギーはアトピーと関係がない』という意見が主流でしたが、それはこの理由が解らなかったからです。私が考えた自己流の仮説は食べ物が腸の表面でアレルギーの元を作ってそれが血液にのって皮膚まで運ばれると言う説でした。
1994年にリンパ球の中のTh2細胞とTh1細胞のバランスがアレルギーの発病に関係があることが発見され、私が心の中に秘めていた『アレルギー血液病説』と合致して食事アレルギーの謎が解けたのです。食べ物のアレルギーを深く研究した結果とTh細胞理論が一体化して、子どもの腸内細菌バランスの異常が近代のアレルギー激増の背景と考える新理論が生まれました。私はこの新学説を1998年世界の一流医学雑誌に投稿しましたが、患者を無作為に2グループに分けて片方だけに治療を行い、もう片方は放置するという実験を行わなかった為に『実験方法に問題がある』との理由で国際的には受け付けられませんでした。2000年にフィンランドの大学病院がこの学説を発表して世界最初の発見と認められました。
科学者としての名誉は逃しましたが『患者を実験台にしない』という信念を守り通し、治療優先を医師のモラルと選んだ事を誇りに思っています。

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ビフィズス菌投与の始まり

1996年平成8年は私にとって忘れられない年でした。この春に我が家に4人目の子どもが誕生しました。産前産後に妻が体調を崩し毎朝3人の子供達に朝食を食べさせてお弁当を作り学校と幼稚園・保育園に送り届けてから仕事に通った日々が懐かしく思い出されます。家族の絆と協力の大切さを改めて感じた年でした。
4月に生まれた末娘には出生直後から通常量の数倍のビフィズス菌とビタミン剤が投与されました。上の子供達で各年齢の試験は済んでいましたが新生児は初めてです。結果は大成功◎お肌ツルツル今では素肌美人の小学生です。
『自分の子どもに出来ない診療は基本的に誰にもしない』 私は4人の子どもの父親として、親がわが子を愛する気持ちを大切にして、クリニックに来る全ての子供達を我が子のように愛情を持って診療してきました。末娘の実験の成功のあと私はクリニックで乳児へのビフィズス菌投与を開始しました。それから10年で私の周囲から殆どアトピーが消えたのです。この予防方法が発見される以前に発病してしまい今でもアトピーの治療に私のクリニックに通院する方には気の毒だったと遺憾に感じています。私がこの手で世界からアトピーを無くす事で償ってゆく決意でいます。
私はこの発明を広く世界中の人に使ってもらい、日本中でアトピーの発病を子供の内に予防して無くす為にこの予防法を特許として申請しました。

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乳酸菌飲料はアトピーに効くのか

アトピー性皮膚炎の予防と軽減に腸内細菌、特にビフィズス菌とアシドフィルス菌が有効で、アトピーを軽減するプロバイオティクスが販売されています。ヨーグルトや乳酸菌飲料が本当に乳幼児に安全でアトピーを軽くするとは限りません。第一にミルクアレルギーの危険性があります。ミルク成分をタップリ含む乳酸菌飲料とヨーグルトは乳幼児のアレルギー軽減には適していません。第二点は子どもが喜んで飲むように糖分が添加されている点です。砂糖分は腸内で異常発酵を起こしてアトピー悪化の原因になります。甘い物好きの子どもは砂糖と砂糖以外の甘さが分からないので基本的に甘党に育てない工夫が必要です。
これらの点から乳酸菌を精製乾燥して与えるのが乳幼児に一番良い方法と考えて発明したのが『アトピー性皮膚炎を防ぐ保険食品』の特許です。この特許を使って一人でも多くの人がアトピーの苦しみから救われる事が私の一生の夢です。ビフィズス菌とアシドフィルス菌にアトピーを予防する効果が認められました。アトピーとアレルギーを撲滅する夢が一歩一歩現実になっています。

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アトピーを撲滅する為に

『アトピー性皮膚炎を防ぐ保険食品』の特許を皆さんに使っていただいて世界中からアトピーを無くす事が私の夢です。ビフィズス菌とアシドフィルス菌を使ってミルクアレルギーの起きにくい純粋な乳酸菌粉末を作り、プロバイオティクスとして乳幼児に与えれば世界中のアトピーは殆ど居なくなると思います。例えて言えば天然痘の予防注射が人類を病気から解放したように『アトピー性皮膚炎を防ぐ保険食品』の発明が世界をアトピーから解放する切っ掛けになると信じています。
アトピーを撲滅するためにこの特許を使ってください!私はアレルギーを撲滅するために『アトピー性皮膚炎を防ぐ保険食品』の特許を使うことを希望しています。誰でも長期間安心して買えるように安い価格で純度の高い安全なビフィズス菌とアシドフィルス菌の生きた乾燥粉末を製造して販売してくださる企業を募集しています。世界中からアトピーをなくすために協力してくださる企業は是非ご連絡をお願いいたします。
アトピーと特許に関する詳しい情報は西焼津こどもクリニックホームページからご覧いただけます。
西焼津こどもクリニック

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アトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品の特許

世界初の快挙 特許取得

(1) 特許の概要

 乳幼児期にビフィズス菌やアシドフィルス菌を投与することでこどものアトピー性皮膚炎を予防し減少させることに世界で初めて成功し特許が認められた。アトピー性皮膚炎の発病原因を乳幼児期の生育環境変化による腸内細菌叢変革に伴うTリンパ球の異常な生育に有ると考案し、社会的問題とも言われたアトピー性皮膚炎を根本的に解決する方法として世界中のアトピーで悩む両親への朗報だ。焼津市の小児科開業医が独自に研究を進めて特許を獲得したことは、少子化と子育て不安に悩む父母たちを勇気づけ、地域の小児科を見直し、地方の小児科医師不足に歯止めをかける効果を期待したい。

(2) 特許の詳細 

【発明の名称】 アトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品

【出願日】 平成10年9月2日

【特許番号】 特許第4010062号

【特許権者】 医療法人社団青藍会

【発明者】 林隆博

【従来の技術】 アトピー性皮膚炎にかかる恐れの有る子供が毎日食べ続けることでアトピー性皮膚炎にかかりにくくなるアトピー性皮膚炎発病予防効果のある保健食品には、従来より米や牛乳などの食品に加水分解処理を加えて蛋白質を変化させてアレルギーの原因となる蛋白質の抗原性を低下させた低アレルゲン食品が有ったが、製造コストが高く、製品の風味・味覚が著しく損なわれる欠点が有った。

【発明が解決しようとする課題】 本発明では、食品を加水分解で低アレルゲン化する事なくアトピー性皮膚炎の発症を予防する効果のある保健食品を作った。従来より乳幼児や子供の食べるものは衛生的で無菌であるべきとの見解が強く納豆・ヨーグルト等の一部の食品を例外として、子供用の食品に生きた細菌類を添加する事は避けられていた。乳酸菌を用いた食品であるヨーグルトが便秘の改善に有用との認識は既に有ったが、ヨーグルトは牛乳の蛋白質を豊富に含むために逆にアレルギーを引き起こす可能性が有る為、アトピー性皮膚炎の予防の目的では使用できなかった。

【発明の実施の形態】 静岡県焼津市でアトピー性皮膚炎の治療を専門としている『西焼津こどもクリニック』で、両親あるいは兄弟にアレルギー歴が有る事から将来かなり高い確率でアトピー性皮膚炎を発症すると予想された乳児湿疹を持つ2歳未満の子どもの対象群に、育児用粉ミルクを調整する時に先に述べたように粉ミルク200g中にビフィズス菌を概数で100億個から10億個、アシドフィルス菌を10億個から1億個程度含むようにドライパウダーにしたヒト腸内細菌類を配合して毎日続けて飲用させた。同様に家族歴・病歴から高率にアトピー性皮膚炎を発症すると予想された幼児の食べる食品の中に前項の2)で述べたように生きた乳酸桿菌属の乾燥抽出物を混入させて毎日食べさせ続けた。母乳栄養を行っている場合には前項の3)で述べたような乳酸桿菌属乾燥抽出物を授乳時に直接乳首に付けて毎日与えた。与える量は1日量換算でビフィズス菌を500億個、アシドフィルス菌を50億個程度摂取するようにした。

【発明の効果】 両親のいずれか一人にアレルギー疾患を経験した人がいる場合に子どもがアレルギー疾患を発病する確率はおよそ40%程度、両親の両方にアレルギー疾患を認める場合には子どもがアレルギー疾患を発病する確率はおよそ50%程度との認識が一般的である。今回実験対象とされた子どもの群は、両親兄弟のいずれか一名以上にアレルギー疾患を有する人がいる場合と、乳児期早期に全身性に重症の湿疹病変を認めており、しかも2週間のステロイド剤を含む外用療法で症状の改善を認めなかった2歳未満の乳児で、体の顔面頭部、胸腹部、背臀部、上肢、下肢の5カ所のうち最低2カ所以上の皮膚に左右対称性の湿疹病変を有する子どもの集団であった。この集団中の将来のアトピー性皮膚炎発病確率を40%以上と予測することには十分な妥当性がある。
  この将来40%以上の確率でアトピー性皮膚炎を発病すると予想された子どもの群に対して本発明のアトピー性皮膚炎を防ぐ食品を、発明の実施の形態のところで述べた方法で毎日与えて観察を続けたところ、半年以上の観察期間で、対象群105中でわずか9名8.6%の子供の皮膚にアトピー性皮膚炎の症状が見られただけで、他の大多数の子供のアトピー性皮膚炎の発病を予防できた。本発明では食品に加水分解等の処理を加える事なく、子供のアトピー性皮膚炎の発症を予防する食品を作る事ができた。子供のアトピー性皮膚炎の発症の原因については食品の影響が大であることは既に指摘されていたが、現在まで有効な解決策は知られていない。本発明は従来のアトピー性皮膚炎予防用食品の持つ欠点を解決して、食品の風味・味覚を損なう事なく安価かつ大量にアトピー性皮膚炎を防ぐ食品を製造する事を可能にした。この事は現在まだ治療法さえ確立されていない子供のアトピー性皮膚炎を発症以前に予防することで医療費の抑制・薬剤使用量の削減等の経済的効果を始め、教育的効果、産業振興的効果、保健的効果が期待できる。

(3) 特許についての問い合わせ

診療の混乱を避けるために特許についての一般のお問い合わせはホームページ

http://119c.web.fc2.com/ に設置しましたメールフォームをご利用下さい。

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特許の乳酸菌(ビフィズス菌+アシドフィルス菌)の商品化決定

長年お待たせして申し訳有りませんでしたが、特許の乳酸菌(ビフィズス菌+アシドフィルス菌)の商品化が決定いたしました。本年、2010年の6月か7月には発売できる見通しです。製品に関する紹介記事は、6月か7月に発売される月刊雑誌『健康365』で発表される予定ですので、アトピーを予防する乳酸菌に興味のある方は、この雑誌を購入して内容をご確認下さい。

アトピーを予防する特許の乳酸菌の発売に向けて、学術データーも海外および国内の医学論文から収集して、このサイトで紹介・掲載してゆく予定でおります。出産前の母親と乳幼児へのビフィズス菌とアシドフィルス菌の投与がアトピー性皮膚炎の発病率を下げる効果があることは、過去10年の数多くの医学的研究から明らかにされてきています。これらの科学的な実証に基づいた医学データをわかりやすく解説いたしますので、ご期待下さい。

1996年に乳酸菌によるアトピー発病ブロックを考案して、2007年に特許として認められ、ようやく日本中からアトピーを撲滅するという、私の小児科医としての大きな夢が、間もなく現実のものとなろうとしているのです。この期間中の医学的進歩の恩恵で、日本中、いや世界中の少しでも多くの人たちがアトピーから解放されることを強く希望しています。

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プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(1)

原著は Ji G.E.: Probiotics in primary prevention of atopic dermatitis : Forum of nutrition 2009; vol.61, pp117-128 で、主として2000年以降に発表された、プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防に関連する約40編あまりの英文医学論文のレビュー(総説)記事である。全体が2部構成になっていて、前半がヒトでの治験データを収集し、後半が細胞分析手技と動物実験のデーターを収集している。今回は前半部分のビフィズス菌、アシドフィルス菌等をヒトに使用してアトピー性皮膚炎を予防、あるいは治療した医学データのレビューを概説する。

消化管は食物や一般的な細菌、あるいは病原体と常時接触している意味で、重要な免疫担当臓器である。ビフィズス菌と乳酸桿菌属は消化管内に共生する主要な微生物であり、プロバイオティクスとして頻用されている。これらの菌は宿主の免疫機能を正常化する有効な生理的効果を持つことが知られている。近年プロバイオティクスのアレルギー疾患発病予防効果に注目が集まっている。

疫学データはアレルギー疾患の発病には環境因子が重要であることを示唆しており、『衛生仮説』が提唱されてきた。衛生仮説によればワクチンや抗生物質の使用と衛生状態の改善で、小児の感染症が減少した反面、免疫系への感作機会が減少し、Th1細胞のTh2細胞に対する優位性が失われ、アレルギー疾患の頻度が増えるという。しかしアレルギー疾患の発病は単なるTh1細胞とTh2細胞の比率だけではなく、もう少し複雑であることが明らかになってきた。TH1細胞活性の異常な上昇と、レギュラーT細胞の機能不全がそれである。免疫異常の予防にはレギュラーT細胞の活性化が重要な役割を担うというのが新しい仮説である。

無菌的な環境で飼育されたマウスはTh2細胞依存型の免疫反応が残り、経口的な食物への脱感作に失敗するのに対し、新生児期から細菌類と接触していたマウスでは経口的な食物への耐性を獲得する。正常な腸内細菌層が成立することが正常な腸管バリア機能を維持し、免疫耐性を獲得するために不可欠である可能性が示唆されている。

アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に罹患している乳幼児の腸管では、正常児と比較して乳酸桿菌属やビフィズス菌の頻度が低く、(悪玉菌の)クロスティリデューム属の頻度が高いことが示されている。このような経緯からプロバイオティクスの免疫機能正常化の可能性とアレルギー疾患予防効果が臨床医、食用微生物研究者、栄養学者の間で注目されるようになった。

『プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防効果のヒトでの治験』

近年になってプロバイオティクスの投与によって免疫耐性の獲得と抗炎症作用が誘導され、アレルギー発病率が低下することが報告された。自験例で二重盲験・無作為比較試験を行った結果では、ビフィダム株ビフィズス菌BGN4と乳酸桿菌AD011とアシドフィルス菌AD031を混合して周産期に経口投与した乳児群では、非投与群に比較して統計的に有意に有病率と累積的な発病率が低下した。服部の報告によれば、腸管内でビフィズス菌が欠乏しているアトピー性皮膚炎児に凍結乾燥したビフィズス菌を経口投与したところアレルギー症状の改善が見られた。乳酸桿菌reuteri ATCC55730株を用いた二重盲験・無作為比較試験では、8億個の菌株を妊娠36週以後の母親に出産までと、生まれた乳児に1歳になるまでの期間投与した群では、子どもが2歳になった時点でのIgE関連皮膚炎の頻度が統計学的に有意に低かったものの、乳児湿疹の予防効果は確かではなかった。乳酸桿菌 rhamnosus株と reuteri株を混合して経口投与すると、アトピー児の湿疹の範囲を狭めることが出来、好酸球活性を示す血液検査値が低下した。この実験では両親にアレルギー体質がある方がはっきりとした結果が得られた。以上の結果はプロバイオティクスが腸内環境を通じてアレルギー性炎症を改善することを示唆している。

妊娠中と授乳期間中にプロバイオティクスの投与を受けた62組の母子では、母乳中のTGF-β2の濃度が非投与群に比べて有意に高く、子どもが2歳の時点で比較すると、投与群では非投与群に比べてアトピー性皮膚炎の有病率が有意に低かった。この結果は妊娠中と授乳期間中の母親へのプロバイオティクスの投与が母乳の免疫的な保護作用を高め、子どもがアトピー性皮膚炎になるのを防ぐことを表している。乳酸桿菌 rhamnosusGG 株が妊娠中から出産後まで継続的に投与された母親から生まれた子どもでは、非投与群の母親から生まれた子どもに比べて、アトピー性皮膚炎の発病率が半分であった。

しかしながら、乳酸桿菌 rhamnosusGG 株が妊娠中から出産後まで継続的に投与された最近の実験では、子どものアトピー発病率や重症度が低下しないばかりか、逆に乳児喘鳴が増加していたとの報告もある。炎症系サイトカインの調査によれば乳酸桿菌 rhamnosusGG 株は炎症性の免疫を増強するデータがある。乳酸桿菌 rhamnosusGG 株は圧倒的多数で有用との報告が多いが、乳酸桿菌 rhamnosusGG 株による細菌性心内膜炎と肝膿瘍の報告があり、急性膵炎の乳児での死亡率が上昇したとの稀な報告も見られるので、乳酸桿菌 rhamnosusGG 株の使用時には留意が必要である。

近年のプロバイオティクスのアレルギー予防効果についての知見は確固たる証拠性には欠けるものの、ほぼ確実と言えよう。実験間で結果が相反しているのは、実験の設定の違い、対象者と環境の違い、プロバイオティクスの種類と投与量の違い、などが異なる結果を生みだしているのだと推測される。ヒトの臨床実験からプロバイオティクスの実用的なアレルギー抑制効果は知られていても、その免疫系を正常化する作用機序にはまだ不明な点が残されている。

プロバイオティクスの第一の作用点は腸管のリンパ節との接触にあるのかも知れない。しかしながらそれ以外の経路も考えうる。例えば、プロバイオティクスは腸管膜細胞層に付着して細胞層を破壊する有害な菌を少なくし、アレルギー反応が喚起されたり腸管上皮細胞層をアレルギー原因物質が透過するのを防ぐのかも知れない。

生きたビフィズス菌の投与が、加熱処理や超音波で破壊したビフィズス菌の投与よりもアレルギーの抑制には有効であることが、卵アレルギーのモデルで確認されている。生きた乳酸菌が腸管内で繁殖して他の有害菌の繁殖を抑制することが有効だったと思える。

腸管の透過性はアレルギーの発病と密接な関係がある。乳酸桿菌 rhamnosus株と reuteri株を混合してアトピー性皮膚炎の子どもに6~41週間経口投与すると、腸管の透過性を抑制してアトピー性皮膚炎も改善された。この実験結果はアトピー性皮膚炎児において、プロバイオティクスが腸管透過性を抑制することを示唆している。食物アレルギー以外でも消化管バリア機能の改善による腸管膜透過性の抑制は種々の病態に応用できる可能性がある。

プロバイオティクスのアレルギー疾患予防効果が菌と宿主の直接的な相互作用によるものであるとすれば、乳児期早期がまだ成熟途上にある腸管膜免疫細胞に作用してその成熟を助長するために最も重要な期間であることがうかがえる。だからこそアレルギー予防のほとんどの効果が乳幼児期に観察されている。






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カテゴリ:アトピー
プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(2)

原著は Ji G.E.: Probiotics in primary prevention of atopic dermatitis : Forum of nutrition 2009; vol.61, pp117-128 で、主として2000年以降に発表された、プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防に関連する約40編あまりの英文医学論文のレビュー(総説)記事である。全体が2部構成になっていて、前半がヒトでの治験データを収集し、後半が細胞分析手技と動物実験のデーターを収集している。今回はこの論文中に掲載されている図版を元に、ビフィズス菌、アシドフィルス菌等をヒトに使用してアトピー性皮膚炎を予防、あるいは治療する根拠となるProbioticsの免疫調節メカニズムについて概説する。

パイエル板の免疫2

ヒトを含む哺乳類の腸管内には、いわゆる善玉菌として宿主と共存している腸内細菌叢が存在する。これらの細菌類は宿主に与える利益を期待して、Probioticsとして使用されているが、その免疫調節作用メカニズムが明らかになってきた。
上図に示されたのは、Probioticsが腸管上皮のパイエル板で免疫担当細胞に影響して、アレルギーの発病を阻止・予防する、端的に言えば食物等の外来異物を攻撃標的と認識しないメカニズムに関与するモデルである。

図の中に書き込んだように、Probioticsは、①腸管上皮細胞に接触して細胞内シグナル伝達に影響を与えて、TGF-β,IL-8,PGE2の分泌を促進する。②さらに腸管上皮の免疫調節機能中心であるパイエル板のM細胞にその生産物質と共に取り込まれ、免疫担当細胞に提示される。③樹上細胞が提示された情報を受け取り、未分化・未成熟のT細胞をレギュラT細胞(Th3,Tr1)へと分化・成熟させる。④同じくマクロファージがM細胞から情報を受け取り、IFN-γ,IL-4,IL-5を調節してTh細胞の機能分化に影響をあたえる。⑤IL-10,TGF-β,IFN-γのシグナル誘導により、T細胞の分化・成熟が正常に発現してアレルギー炎症の発病を抑制すると共に、食物への経口的脱感作を獲得する。

以上が上の図で示された、善玉菌が腸管内でどのように作用しているかを示す免疫システムのモデルである。
次に乳児のアトピー性皮膚炎を善玉乳酸桿菌の経口投与で予防するメカニズムを提示する。

アトピー性皮膚炎の発病理論2B

新生児は本来がアレルギー反応を誘発するTh2細胞優位で生まれてくる。この状況のまま無菌的・超衛生的に育てられると、Th2細胞優位のアレルギー性体質に育ってしまい、アトピー性皮膚炎を発病する。

従って、生後の微生物類との接触が必要なのだが、病原性のある微生物類と接触して乳児期に感染症を発病すると、Th1細胞の活性が強化されすぎて、結果的にやはりアレルギー性炎症を誘発・悪化させることになる。これはアレルギー炎症が、①極端に強化されたTh1細胞機能、②さらにレギュラーT細胞の機能低下でTh2細胞がTh1細胞以上に増加する、に見られるT細胞の分化・成熟の異常による免疫機能調節障害として位置づけられることと一致している。

乳児期に病原性のない、いわゆる善玉腸内細菌叢と接触した場合には先の図で示したような、腸管上皮パイエル板での腸管免疫調節システムの正常化を通じて、レギュラーT細胞の活性強化とTh1/Th2細胞比率の正常化を獲得して、アトピー性皮膚炎の発病が阻止・抑制される。

プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(1)でも述べたように、 ビフィズス菌、アシドフィルス菌等のプロバイオティクスのアレルギー疾患予防効果は、これらの菌の生きた状態での凍結乾燥製剤を、1種類の菌よりも多種類の菌を混合した製剤として、乳幼児期早期に、両親にアレルギー素因があり、母親が周産期から授乳期を通じて内服した場合に最も効果的であるとの暫定的な結論が導かれると思われるので、①両親にアレルギー体質がある場合、②両親あるいは兄・姉のいずれか一人がアトピー性皮膚炎を罹患していた場合、③母親が妊娠中に何らかのアレルギー症状を示していた場合、はアトピー性皮膚炎発病の危険性が高いので、母親は妊娠後期の35週目頃から、生まれた乳児には生後2ヶ月目頃から、Probioticsを投与することでアトピー性皮膚炎の発病が予防できると期待されている。


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プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(3)

原著は Ji G.E.: Probiotics in primary prevention of atopic dermatitis : Forum of nutrition 2009; vol.61, pp117-128 で、主として2000年以降に発表された、プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防に関連する約40編あまりの英文医学論文のレビュー(総説)記事である。全体が2部構成になっていて、前半がヒトでの治験データを収集し、後半が細胞分析手技(in vitro)と動物実験のデーターを収集している。今回はビフィズス菌、アシドフィルス菌等をヒトに使用してアトピー性皮膚炎を予防、あるいは治療する根拠となる Probioticsの免疫調節メカニズムについて、後半の細胞マーカー分析手技と動物実験のデーターに関するレビューから概説する。

腸管のリンパ系組織には、免疫反応の入り口としてはパイエル板と個々のリンパ濾胞が、免疫応答の出口としては粘膜固有層が挙げられる。これらの免疫組織にはB細胞、T細胞、樹状細胞、マクロファージが含まれている。樹状細胞とレギュラーT細胞は、粘膜組織のみならず全身性の免疫反応に置いても、脱感作・体制確立についての決定的な役割を担っていると考えられている。腸管上皮細胞、リンパ系細胞、樹状細胞はバクテリアの菌体やその一部分であるペプチドグリカン、リポ蛋白、リポ多糖類などを、TLR(toll-like receptor)を含むパターンレセプターシステムを駆使して常時監視・認識すると共に、それらと相互に影響を及ぼし合い、先天的および後天的な免疫応答を調節している。
腸管の粘膜層ではプロバイオティクス(善玉菌)と、その一部分であるペプチドグリカン、リポ蛋白、リポ多糖類、菌体の分泌物、細胞壁の一部などが腸管上皮細胞、パイエル板中のM細胞、その下流に位置する樹状細胞およびマクロファージとと相互に連繋を持つことが報告されている。善玉プロバイオティ久菌と腸管上皮細胞の相互連繋は腸管のバリア機能を一層強化すると共に、サイトカインや信号科学物質の放出を含む粘膜免疫細胞の直接的な調節に関与している。(この解説は下図に集約されている)

パイエル板の免疫2s

乳酸桿菌ペントサス株の経口投与では、IL-12産生の活性化によりIFN-γ分泌細胞が誘導される等の知見がある。その一方で、細胞分析系(in vitro)の研究については、先に結論を書いてしまうと、これらの系でのプロバイオティクス善玉菌と樹状細胞間の相互作用は、菌株の種類とTLK細胞、樹状細胞の系統の違いによりマチマチである。この相互作用が極めて重要で決定的な役割を演じているとしても、他種類の菌株が、無数ともいえる複雑な経路を通して免疫系に影響を及ぼしていることが知られており、細胞マーカー分析によるin itroの実験結果が 実際の生体内でのin vivoの観察結果と矛盾することも少なくない。プロバイオティクスの菌株種類、投与量、投与のタイミングと投与経路などによる免疫調節作用の差を理解するためには、より精巧で進歩的なin vitroの実験モデルが開発されることが待たれる。

動物実験においては、さまざまな実験モデルがプロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の抑制メカニズム解明に用いられてきた。動物実験系は細胞分析系(in vitro)の研究よりも有用性が高いと思われる。動物実験系でもプロバイオティクスの投与はTh1細胞のTh2細胞に対する優位性を強化し、レギュラーT細胞の働きを高める結果が得られている。

オボアルブミン(卵白の抗原物質)で経口感作された実験動物に対して、プロバイオティクスを経口投与したときの効果がいくつかの実験で調べられている。これらの実験では、プロバイオティクスの経口投与で、血清中では抗原特異的なIgEとIgG1の産生が抑制され、糞便中では抗原特異的なIgAの分泌が抑制された。さらに、脾臓でのIL-4産生が抑制され、INF-γとIL-10の産生が増強され、皮膚や粘膜に見られたアレルギー性炎症の改善が観察された。

生きたビフィズス菌の使用は、破壊された菌体や熱処理された死菌よりもアレルギー症状を抑制する効果が高い。プロバイオティクスの抗アレルギー効果は、炎症反応抑制の局所的効果から全身的効果にかけて、また炎症反応の最初の部分から引き続く増悪部分にかけて広範囲に出現すると思われる。IL-4の抑制はTh1細胞の強化につながり、IL-10の分泌増強は、レギュラーT細胞による経口的耐性獲得に貢献しているように思われる。さらに、ビフィズス菌による特異的なIgE抑制効果はレギュラーT細胞のIFN-γ産生によって中継されている事を示唆するデータがある。

動物実感系の結果にはまだ結論はないが、ほとんどの報告はプロバイオティクスの使用がアレルギー症状を緩和することを主張している。今までの報告を総括すれば、ヒトの治験においても動物実験においても、局所的・全身的の両方において、プロバイオティクスの経口摂取はアレルギー反応を緩和する方向に作用することが強調され、ヒトにおいてアレルギー発病の予防にプロバイオティクスが利用されることの正当性を証明しているように感じられる。







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カテゴリ:アトピー
離乳期の共益性乳酸菌(Probiotics)の投与がアトピーの発病率を低減する(1)

原著はWest G.E.,et.al: Probiotics during weaning reduce the incidence of eczema. Pediatr Allergy Immunol 2009: 20: 430-437: Umea University, Swedenのグループによる乳酸桿菌を用いたプラセボ二重盲験ランダム試験の報告である。

《要旨》
 乳幼児期における微生物との接触機会の低減が先進工業国でのアレルギー疾患増加に関係していることが示唆されてきている。数々の医学報告でプロバイオティクスの投与がアトピー性皮膚炎の発病予防に効果的であると有望視されている。In vitro の実験系はプロバイオティクスが免疫正常化機能を発揮することを指摘している。

 本研究において我々は乳幼児の離乳期における乳酸桿菌F19の投与がアトピー性皮膚炎の発病率とTH1/Th2バランスに及ぼす効果を評価した。このプラセボ二重盲験ランダム方式のコントロール試験は、生後4ヶ月から13ヶ月までの乳幼児で、乳酸桿菌F19配合の食事を投与した乳幼児群89名と非投与乳幼児群90名で実施された。評価は生後13ヶ月時点でのアトピー性皮膚炎発病率の計測でおこなわれた。ポリクローナル抗原刺激による末梢血T細胞のインターロイキン4-mRNA発現に対するインターフェロンγの比率(IFN-γ/IL-4 mRNA exp)が免疫バランスの指標に用いられた。血清の総IgE量と抗原特異IgE量も同時に測定された。

 生後13ヶ月時点でのプロバイオティクス投与群でのアトピー発病率累積は11%(4-17% 信頼区間95%)、非投与群でのアトピー発病率累積は22%(95%信頼区間、13-31%)で、危険率p
 総括すると、乳幼児の離乳期における乳酸桿菌F19の投与はアトピー性皮膚炎のようなアレルギー疾患の早期発病徴候に対する有力な予防対策候補であると思われる。プロバイオティクス投与群の非投与群に対するTh1/Th2バランスの高さは乳酸桿菌F19がT細胞を介した免疫反応に影響力を及ぼしていることを示唆している。

 この研究の結果は、小生が1998年に提出した《アトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品》の特許での臨床実験報告、すなわち【両親あるいは兄弟にアレルギー歴が有る事から将来かなり高い確率でアトピー性皮膚炎を発症すると予想された乳児湿疹を持つ2歳未満の子どもの対象群=この将来40%以上の確率でアトピー性皮膚炎を発病すると予想された子どもの群、に対して本発明のアトピー性皮膚炎を防ぐ食品を、発明の実施の形態のところで述べた方法で毎日与えて観察を続けたところ、半年以上の観察期間で、対象群105中でわずか9名8.6%の子供の皮膚にアトピー性皮膚炎の症状が見られただけで、他の大多数の子供のアトピー性皮膚炎の発病を予防できた。】という結果を強く支持する、プラセボ二重盲験ランダム方式のコントロール試験として国際的に認定されたものと言えるだろう。

カテゴリ:アトピー
離乳期の共益性乳酸菌(Probiotics)の投与がアトピーの発病率を低減する(2)

原著はWest G.E.,et.al: Probiotics during weaning reduce the incidence of eczema. Pediatr Allergy Immunol 2009: 20: 430-437: Umea University, Swedenのグループによる乳酸桿菌を用いたプラセボ二重盲験ランダム試験の報告である。今回は、実験の目的・背景と実験系の概要について述べられた部分を紹介します。

 乳幼児期に微生物群と接触する機会が減っていることが、先進諸国でのアレルギー疾患増加と関連しているらしいとの意見が提唱されてきた。腸管の細菌叢は免疫系への主要な刺激要素で免疫反応をTh1方向に誘導する作用があることが示唆されている。乳幼児期には腸管細菌叢の大きな変化が起こり、出産と離乳食期は栄養方法と生理学的な状況に根底的な変化が起きるため、この時期が決定的な分岐点となる。母乳栄養はビフィズス菌と乳酸桿菌の成育を促進するのに対し、人工栄養児ではもっと複雑な細菌叢を伴う。

 腸内細菌叢の変化はアレルギー性疾患の兆候に先立って起こることが科学的に証明されてきている。特定の微生物を接種された動物実験から、腸内細菌叢は腸管のみならず全身の免疫反応の発達に必要不可欠であることが示されている。この事実が主としてビフィズス菌と乳酸桿菌の共益性乳酸菌 (Probiotics)を、乳幼児の免疫を介する疾患の治療と予防に実用する計画を後押ししている。共益性乳酸菌(Probiotics)がIgE関連のアトピーを予防するとの医学報告がある一方で、否定的な意見もある。

 共益性乳酸菌(Probiotics)はアレルギーの予防には打って付けの手段である可能性がある。しかしながら、共益性乳酸菌 (Probiotics)の免疫刺激効果については、無作為統制(ランダムコントロール)を用いた臨床試験によりさらなる評価が必要とされている。そこで、我々は健康満期産児の離乳期に乳酸桿菌paracaseiF19株(LF19)を投与して、アトピーの発病率を調べた。さらに我々は、血清中の総IgEと特異IgEのレベル、末梢血単核球(PBMCs)中のインターロイキン4(IL4)mRNA発現に対するインターフェロンγ(IFN-γ)の比率をポリクローナルなT細胞刺激に付随して測定した。この比率はTh1タイプとTh2タイプの免疫応答バランスの指標の代表である。

カテゴリ:アトピー
離乳期の共益性乳酸菌(Probiotics)投与がアトピーの発病率を低減する(3)

原著はWest G.E.,et.al: Probiotics during weaning reduce the incidence of eczema. Pediatr Allergy Immunol 2009: 20: 430-437: Umea University, Swedenのグループによる乳酸桿菌を用いたプラセボ二重盲験ランダム試験の報告である。今回は、実験の概要と結果について述べられた部分をダイジェスト版で紹介します。

本実験系は離乳期に投与された乳酸菌とアレルギーと免疫の発達を調べるためにプラセボ対照・無作為・二重盲験試験で2000年8月から2003年11月の期間に、2500g以上の経膣分娩正期産児を対象に医学倫理規定に沿って実施された。参加した両親は毎日の母乳の回数と皮膚と呼吸器の状態を記録し、月に一度の看護士によるアレルギー症状等に関する訪問インタビューが行われた。乳児には乳酸桿菌LF19を1億個含むシリアルが月齢4ヶ月から13ヶ月まで与えられ、対照群と非対称群は結果解析の終了まで両親および実験実施者には秘匿にされた。

月齢5ヶ月半と13ヶ月で採血を行い、血清中の総IgEと特異IgEのレベル、末梢血単核球(PBMCs)中のインターロイキン4(IL4)mRNA発現に対するインターフェロンγ(IFN- γ)の比率をポリクローナルなT細胞刺激に付随して測定した。

実験の対象者は180名で、帝王切開の1名を除外して、乳酸桿菌投与89名、非投与90名のうちそれぞれ84名と87名が実験を完結した。月齢13ヶ月でのアトピー性皮膚炎の罹患数は乳酸菌投与群では84名中9名、(11%、95%信頼区間 4-17%)プラセボ群では87名中19名(22%、95%信頼区間 13-31%)と有意な差が見られた。(離乳期の乳酸菌投与がアトピー性皮膚炎の発病率を半分に低減したともいえる;訳注)

ハイリスク児でのアトピー発病率は乳酸菌投与群で11%(95%信頼区間 2-19%)、プラセボ投与群で26%(95%信頼区間 14-39%)で危険率=0.038と強い有意差を示した。(離乳期の乳酸菌投与でアトピー性皮膚炎発病ハイリスクグループでは、実に60%もの発病阻止効果が得られたことになる;訳注)

両グループ間で月齢13ヶ月時の血液中の総IgEレベルには有意差が見られなかったが、ポリクローナルなT細胞刺激に付随して測定した、末梢血単核球 (PBMCs)中のインターロイキン4(IL4)mRNA発現に対するインターフェロンγ(IFN- γ)の比率は共益性乳酸菌投与群で危険率=0.04と有意に高かった。(この比率はTh1タイプとTh2タイプの免疫応答バランスの指標の代表である。)

前回に続き、離乳食中に乳酸菌を添加することで、アトピー性皮膚炎の発病を全体で50%、ハイリスクグループでは60%も低減する効果があり、 Th2/Th1バランスも改善することが実証されたことになるが、この実験も小生の1998年に提出した《アトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品》の特許での臨床実験報告を支持するものであると言えます。

カテゴリ:アトピー
乳酸菌乾燥粉末(プロバイオティクス)によるアトピー、アレルギーの治療と予防;世界の最新医学報告(1)

 原典は、Per Brandtzaeg, Erika Isolauri, Susan L. Prescott 編、”Microbial-Host Interaction: Tolerance Versus Allergy”2008年11月シドニーで行われた第64回《Nestle Nutrition Institute Workshop Series: Pediatric Program》での国際医学会から、乳酸菌(共益性乳酸菌乾燥粉末:プロバイオティクス)によるアトピー、アレルギーの治療と予防に関する世界最新の医学報告を集めた書籍である。
 同書籍のダイジェスト版で今回は第1編《共生のシナリオ:腸内細菌が産生する多糖類が健康に果たす役割》について解説する。

《要旨》ヒトの腸内にはおよそ100兆個の微生物が棲息しており、そのうち或るものは有益であり、或るものは病原性を秘めている。腸内細菌 Bacteroides fragilitis が産生する双性イオンの多糖類は(host)ヒトの免疫機能を発達させる共生菌が持つ原型的な分子構造だと見なされている。腸内細菌 Bacteroides fragilitis が産生する双性イオンの多糖類(PSA)にはCD4+細胞のTh1/Th2バランスの正常化に寄与し、無菌的に飼育されたマウスの脾臓と胸腺に見られる組織学的欠陥を正常化させる作用がある。PSAは新生児の免疫機能をToll-likeレセプター2リガンド(特定のタンパク質や細胞膜の各種受容体などと特異的に結合する物質)発現の方向に刺激する事により、T細胞の活性化に必要な免疫機能内の相互作用を進展させる。PSAは病原性を持つ腸内細菌 Hericobacter hepaticus が引き起こす腸炎から動物体を守っている。Bacteroides fragilitis を除外された実験動物ではPSAが発現せず、Hericobacter hepaticus が病原性を発揮して腸管組織内で炎症誘発生のサイトカイン産生が高まる。PSA精製物質を実験動物に投与すると、腸管免疫細胞から放出される炎症誘発生のサイトカインであるインターロイキン-17の産生が抑制される。PSAはインターロイキン-10産生CD4+T細胞への機能的な必要条件を通して動物体を炎症性疾患から守っている。総括すると腸内細菌の微生物叢からの多糖類はヒトの病気と健康の決定的なバランスに関与していると言える。実験的実証を集約するならば、この考え方は免疫が担当する分野・範囲の重要な一面を反映していると受け入れられる。

 さて、非常に難しい専門的な内容でありますが、要するにこの報告の言いたいことは、新生児の腸内が無菌的であると免疫発達が阻害され、アトピーやアレルギーなどの炎症性疾患を発病する。アトピーやアレルギーの予防と治療に共益性腸内細菌から出る多糖類が必要であると言うことであります。この論旨は小生が 1998年に提唱した《周産期環境衛生仮説》すなわち、母親から新生児への腸内細菌垂直伝搬が衛生的な育児操作で阻害されたことが、近年のアトピーやアレルギーの増加を引き起こした根本的な原因であり、乳児期と離乳食期に赤ちゃんに乳酸菌プロバイオティクスを乾燥粉末で投与することが、赤ちゃんや子どものアトピーとアレルギーの予防と治療に有効であるという論説を支持するものであります。

2010年6月に発売されたベストトリム乳酸菌が、日本中から赤ちゃんと子どものアトピーとアレルギーを撲滅する一里塚となることを心から願っている次第であります。

カテゴリ:アトピー
妊婦と赤ちゃんへのプロバイオティクス投与が、子どものアトピー・アレルギー治療に有効な理由

医学論文から赤ちゃんのアトピー・アレルギーの予防に乳酸菌乾燥粉末が有効であることを伝えてきました。今回は少し解りやすく、なぜ妊婦と乳児への乳酸菌乾燥粉末投与が、子どものアトピー・アレルギーの予防と治療に役立つのかを解説いたします。
 私が提唱している《周産期環境衛生仮説》の概要は、出産と育児環境の衛生操作の普及により新生児の感染症死亡率が劇的に低下した反面、母親から赤ちゃんへの共益性腸内細菌の伝搬が阻害され、これが先進諸国におけるアトピー・アレルギー増加の一因であるというものです。
 この仮説に従って1996年以来、西焼津こどもクリニック(静岡県)では乳児のアトピ-治療に乳酸菌を応用してきました。その結果は素晴らしいもので、現在では西焼津こどもクリニックでは、赤ちゃんと幼児のアトピ-・アレルギーは100%近くステロイド無しまで完治させることが出来るようになりました。わたしはアトピーで困っている人を苦しい症状や痒みから救うために、この技術を公開して日本中から子どものアトピーを撲滅する助けとなることを願っています。

 赤ちゃんのアトピー発病のメカニズムは次の図のように考えられています。

アトピー性皮膚炎の発病理論2B


 すなわち、赤ちゃんは本来Th2細胞が優位で生まれてきますので、①清潔すぎる養育環境では乳酸菌などの共益性の腸内細菌が不足してTh2細胞優位のまま育っていまい、その結果として赤ちゃんはアトピー・アレルギーを発病します。②逆に病原性の高い細菌・ウイルス・真菌等に接触すると、感染症を起こし、その結果Th1細胞が異常に高いレベルとなり、自己免疫性炎症を起こします。この炎症がさらにTh2細胞の高い状態を作り出して、結果的にはやはり赤ちゃんはアトピ-・アレルギーを発病してしまいます。③このような状況を予防して治療に結びつける方法は、乳児期にビフィズス菌、アシドフィルス菌など共益性の乳酸菌を投与することで、腸管免疫を正常な発達に導きアトピー性皮膚炎を発病阻止できるのです。

 多くの医学論文で証明されているのは、アトピーアレルギーの心配な人、すなわち①両親・兄弟の1人以上いずれかにアトピー・アレルギー体質がある赤ちゃん、②母親が妊娠中に鼻炎などのアレルギー症状を持っていた子ども、では妊婦(妊娠35周以降)と赤ちゃんに共益性乳酸菌乾燥粉末を投与するとアトピーアレルギーの発病率が半分以下に低下したというものです。

 この場合に大切なことは、乳酸菌なら何でも良いのではないと言うことです。まず思いつくのがヨーグルトや乳酸菌飲料ですが、これは治療と予防には役立ちません。アトピーに有効な乳酸菌の数は1日に500億個以上が必要で、ヨーグルトですと1日に600g程度、乳酸菌飲料ですと毎日1L以上を飲み続けなければなりません。これは赤ちゃんには物理的に不可能で、もし仮に実行したら、まちがいなく牛乳アレルギーを起こしてしまいます。牛乳中のリンと蛋白質浸透圧過剰が腎臓と骨の発育を傷害することも小児科医学的には目に見えています。

 ですから、牛乳を使わないで培養した純粋な乳酸菌乾燥粉末が必要なのです。ところがビフィズス菌なら何でも良いわけではありません。ビフィズス菌にも多種類有って、生きて腸まで届いてアトピーとアレルギーの予防と治療に役立つ乳酸菌は数種類しかなくて、悪い菌を飲むと逆にアレルギーが悪化することも解っています。ビフィズス菌と同時にアシドフィルス菌を投与することがビオチンの供給を通じてアトピーの症状改善に役立ちます。アシドフィルス菌単独では、ごく稀ですが感染発病の報告もあるので、アシドフィルス菌は過剰になると赤ちゃんには危険であります。

 手前味噌ではありますが、今回発売されたベストトリム乳酸菌はこの全ての条件をクリアーしている本邦唯一の理想的製剤です。医学的に最も強い抗アレルギー効果を持つブレーベ菌に赤ちゃんの腸に多いビフィズス菌であるインファンティス菌とロンガム菌をミックスして、ビフィズス菌の10分の1量のアシドフィルス菌(ビオチンを産生する)を使っています。他の製品がベストトリムに比べるにも値しないくらい劣っているのは、この製品は特許を持っているので真似が出来ないためです。他の製品が過剰な広告に頼っているのは私の持つ特許に対抗できない悲しい定めと感じます。特許の乳酸菌ベストトリムが赤ちゃんのアトピー治療に役立つことを期待しています。

 くれぐれも変な乳酸菌製剤には手を出さないことが、大切な赤ちゃんを傷害させないために何より肝心な事です。

カテゴリ:アトピー
赤ちゃん・子どものアトピ-・アレルギーの原因は腸内の共益性乳酸菌不足で根本治療が可能です

 アトピー・アレルギーが赤ちゃんと子どもたちで増加したのは1950年頃からで、それ以前は人口の3%程度と当時の小児科医学の中では稀な病気でした。なぜこのようにアトピーとアレルギーが子どもたちの間で急激に増加したのかを考えることが、赤ちゃん・子どものアトピーを原因から治療して完治させる原動力となります。1998年に私が世界で最初に提唱して特許を取得した《腸内細菌不足》こそがアトピーとアレルギーの本当の原因だったのです。

 人類の腸内には約百兆個の微生物が棲息していますが、その一部は細菌培養で特定できて、残りの多数はいまだに培養特定が出来ていません。この事実が腸内環境を病気と結びつける上での障害となって、混乱とガセネタの素になっています。医学文献から検索する限り、1996年から1998年に私が西焼津こどもクリニックで行った共益性乳酸菌(プロバイオティクス)とアレルギーについての人体での大規模な実験が世界最初の実験でした。この特許の結果、世界の目がアトピーと乳酸菌の関係に向けられて、2001年のLancetでのプラセボ対照試験の結果、子どものアトピーとアレルギーは共益性乳酸菌の投与で予防・治療が可能だと科学的に証明されたのです。

 最近になって過去10年間でアトピーとアレルギーの医学研究が大幅に進歩しました。アトピー・アレルギーはTh2/Th1細胞を中心とした白血球の一種であるTリンパ球の機能異常であることが確認されると併行して、このT細胞が機能異常を起こすのは、腸内のリンパ組織であるパイエル版での免疫寛容状態コントロール機構の異常な発達のためだと判明したのです。

 動物の腸は外部から体内に侵入しようとするウイルスや病原性の異物を排除しながら、その一方で身体に必要な栄養源は積極的に吸収するという、2つの相反する仕事を24時間、同時に行わなければなりません。このメカニズムに共益性乳酸菌が不可欠な要素であることが、無菌飼育されたマウスでは食べ物に免疫が反応してしまう事、それらの動物に共益性乳酸菌を投与すると食べ物に免疫が反応しない寛容状態が得られる等から確認されてきました。最近ではこのメカニズムがさらに細かく実験的に確認されて来ています。

 動物の腸管免疫を調節しているのはパイエル板と呼ばれる腸管のリンパ組織です。パイエル板で免疫の調節が行われるメカニズムを簡単に模式化したのが下の図です。

パイエル板の免疫2s


 この図で示したように、共益性乳酸菌(プロバイオティクス)はパイエル板のM細胞に菌体の一部および産生物質を供与します。M細胞はそれらを分析して粘膜内のマクロファージと樹状細胞に情報として供与します。樹状細胞は情報に基づきT細胞の分化を促進・調節します。マクロファージはT細胞機能を強化して、抗アレルギー作用のあるインターフェロンγ、インターロイキン4、インターロイキン5を誘導します。これらの過程の結果動物の腸内では、インターロイキン10、インターフェロンγ、TGF-βの作用が増強されて、アレルギーを抑制するつまり食物を受け入れる方向に免疫反応が向かうのです。

 この機能に異常があると、体内でTh2型のアレルギー反応を起こすリンパ球が増える結果となり、動物はアレルギー性炎症を起こす体質に向かって発育してゆくのです。総括すれば、赤ちゃん・子どもの腸で共益性乳酸菌等のいわゆる善玉菌が減少すると、アトピー・アレルギーは腸から全身へと広がる炎症反応として発症するという、アトピー性皮膚炎発病原因のメカニズムが見えてくるのです。

 このような発病メカニズムから、妊娠後期の母親および赤ちゃんと子どもにベストトリム乳酸菌乾燥粉末を与えることは、T細胞異常を修正するアレルギーの根本的な原因治療として大いに役立つことが理解できます。

 小生が開発したベストトリム乳酸菌乾燥粉末が、日本中、世界中からアトピー・アレルギーを撲滅するために人類に貢献できることを心から願っています。 

カテゴリ:アトピー
赤ちゃんの肌のトラブル;アトピー・アレルギーの原因は乳酸菌不足

今までの記事で既にお解りの通り、赤ちゃんと子どものアトピー・アレルギーが近年増加している一番の原因は赤ちゃんの腸内で共益性乳酸菌が減っていることであります。このことは私が一人で提唱しているのではなく、世界の小児・新生児アレルギー専門家が認めていることです。

私たち人類の腸に棲む乳酸菌は、遺伝的に決まった部分と環境から受け継ぐ部分の両方があります。世界の医師たちが主張しているのは、環境因子として赤ちゃんが人類に特有の乳酸菌叢を母親から受け継がないで育っていることが、アレルギー・アトピーの発病原因だということです。

アトピーアレルギーの発病原因である乳酸菌の不足を補うために、妊婦さんと乳児には乳酸菌の投与が不可欠ですが、乳酸菌なら何でも良いわけではありません。
(1)何よりも赤ちゃんに有用な菌でなければなりません。生きたビフィズス菌と乳酸桿菌が赤ちゃんには一番有効です。
(2)赤ちゃんの腸内でアレルギー性炎症を防ぐには生きた乳酸菌でなければ効果は現れません。死んだ菌をいくら飲んでも無駄なことです。このことは医学実験で証明されています。
(3)生きたままで腸内まで届いて最大の効果を発揮する菌はブレーベ菌です。
(4)アシドフィルス菌が腸内で作るビオチンは美肌効果が大きいビタミンで、美肌ビタミンとも呼ばれています。
(5)ビフィズス菌を育てるオリゴ糖が赤ちゃんとアトピー児の腸内環境を正しく整えることがわかっています。

 以上の根拠から現時点では《ベストトリム乳酸菌》が赤ちゃんと子どものアトピーに最適の乳酸菌だと私は考えています。

カテゴリ:アトピー
妊娠前と妊娠中にお母さんが生きた乳酸菌を飲むと胎盤を通じて赤ちゃんの喘息を予防する

 原著は Clin Exp Allergy. 2007 Mar;37(3):348-57.:Blümer N, et al: Perinatal maternal application of Lactobacillus rhamnosus GG suppresses allergic airway inflammation in mouse offspring. 乳酸桿菌(LGG)を使ってマウスの母親から胎児への免疫成熟への影響を調べたドイツ、ベルリン、マールブルグ大学での実験であります。

 母親がプロバイオティクスを飲むことは生まれてくる子供の免疫成熟に良い影響を与え、アレルギーの発病から守る効果が有ることが臨床的に指摘されています。そこで動物実験で母親が摂取したプロバイオティクスが子どものアレルギー発病阻止に与える影響を調べることにしました。
 メスのマウスに妊娠前+妊娠中+授乳中、あるいは妊娠前と妊娠中のみ乳酸桿菌を経口投与しました。胎盤中のサイトカインの発現状況が分析されました。生まれた子どもたちを卵の抗原(オボアルブミン:OVA)で感作した後にOVAのエアゾールで抗原吸入試験を実施しました。喘息症状発現の有無は気管支肺胞洗浄液分析、肺の組織学検査、肺機能検査で確認されました。脾臓の単細胞からのサイトカイン産生能が in vitro の検査で測定されました。
 腸管への乳酸桿菌の定着はマウスの母親だけに認められて子どもには認められませんでした。TNF-alpha, IFN-gamma, IL-5 およびIL-10 の産生低下が妊娠前+妊娠中+授乳中に乳酸桿菌投与を受けた母親から生まれた子マウスに認められました。しかしながらIL-13とIL-4には変化がありませんでした。そしてさらに、プロバイオティクスの投与を受けた母親から産まれた子マウスは、投与を受けなかった母親の子マウスに比べると、気道と気管支周囲の炎症所見、杯細胞の過形成所見が有意に減少して観察されました。それに対してメタコリン(非特異的刺激)に対する気道過敏性は影響を受けていませんでした。妊娠期間中に乳酸桿菌投与を受けた母親では胎盤中のTNF-alpha上昇だけが有意に観察されました。
 今回の実験では胎児期に母親が乳酸桿菌(LGG)投与を受けた場合に、その子どもでは実験的に引き起こした喘息症状が緩和され、この免疫的な影響は、少なくとも一部は胎盤を通過して、おそらくは炎症をコントロール(誘発)する細胞のシグナルによって引き起こされていると考えられます。

 さて、また難解な動物実験データが提示されましたが、この実験のポイントは、母マウスに投与した乳酸桿菌は子マウスには伝搬していないにも関わらず、子マウスの実験的な喘息誘発に阻止的に働いたという点です。この実験結果は小生が提示している《周産期環境衛生仮説》の骨子である《母親から子どもへの腸内細菌伝搬が阻害されたことが子どものアレルギー増加原因》という仮説に対抗する新しい学説を提案しているからです。
 乳酸菌不足はただ単に新生児期の腸内環境として子どもが自分で免疫を成熟させることに悪影響を与えるだけではなく、母親の胎内にいるときから既に胎盤を通じて胎児の免疫調節に関与しているという学説が生まれることになります。このことは、北欧の多くの実験が主張している妊娠末期からの母親へのプロバイオティクス投与では遅い可能性があり、妊娠がわかった時点あるいは妊娠を準備する時点で母親がプロバイオティクスを飲み始める方が、より確実に子どものアレルギーを防ぐ効果に結びつく可能性が有ると考えられます。

 小生が提言している《母親は出産前1ヶ月に生きた乳酸菌粉末を飲みましょう》ではなく、《お母さんは未来の子どものために、妊娠がわかった時点から、あるいはお母さんになる準備として妊娠前から、生きた乳酸菌粉末を飲みましょう》という提言が将来的にはより現実的な《子どものアレルギー撲滅キャンペーン》となるのかも知れません。

カテゴリ:アトピー
妊婦のアトピー予防には食事制限よりも乳酸菌(ビフィズス菌+アシドフィルス菌)摂取が効果的な理由

 前回は2007年に発表されたドイツの医学報告から、妊娠中のプロバイオティクス内服が胎児の免疫系の発達に良い影響を与えることを解説しました。今回はこの内容をもう少し簡単に説明してみようと思います。

 赤ちゃんがアレルギーになるかならないかは、一番最初に外界と濃厚接触する腸内で免疫が正常に発達するかどうかで決まってくるようです。腸管の働きは、自分に必要な栄養素だけは吸収して、自分に有害なウイルスや病原菌は絶対に体内に入らせないという、全く反対の仕事を完璧に遂行しなければなりません。この環境を整えるのがロイコトリエンなどの血液中の白血球の働きを支配する伝達信号物質です。このような伝達信号物質が実は胎盤を通過して胎児の免疫発達も支配しているというのが前回の医学論文の衝撃的な部分です。もしそうで有れば、妊婦さんは第一に自分自身の体内で《良いロイコトリエン》を沢山作らなければなりません。そのために妊婦さんがアトピーを予防するには妊娠中から適切なプロバイオティクスを内服することが良いと考えられるのです。

 ドイツの動物実験から発表されたこの医学論文は、今後の人体での検証が進めば、世界の流れを一気に変える大きな発見になるかも知れません。過去の誤った方向として、(今でも誤ったまま続けられていますが)妊娠中に母親に、多分食べない方が安全だろうという程度の推論で、医学的なハッキリとした根拠が無いにも関わらず、厳格な食事制限を指導する傾向がありました。近年になって、このような食事指導が母親を精神的に苦しめる割には治療的な効果が少ないことが指摘され、欧米では妊婦にアレルゲン除去の指導は行わない方が良いという医学報告が多く出されています。この点で日本はかなり遅れていると思います。(ついでですが、喘息児へのハウスダスト除去勧告も意味がないことも欧米では最近指摘されました)

 妊婦さん、授乳中のお母さんが極端な食事制限でアレルゲン除去を行おうとすれば、精神的な負担が重く、母親が自信喪失から育児に安定性と一貫性を失い、親子関係が悪化して子どもの心の発育に悪影響を与えることも懸念されています。大豆にはω3系不飽和脂肪酸という、胎児と赤ちゃんの脳神経発達に大変重要な油が含まれているので、ハッキリとした確定診断もなく誤った食事制限を行うのは赤ちゃんの脳神経発達にも悪影響を及ぼすかも知れません。《多分食べない方が安全だろうと》いう無責任な考え方が母親を苦しめて、育児環境を悪くして、子どもの脳と心の発達にまで悪影響を及ぼすとすれば、これは放置できない事態だと私は思います。

 妊娠中の乳酸菌(ビフィズス菌+アシドフィルス菌)プロバイオティクスの投与が赤ちゃんの食事アレルギーを予防して、その精神発達まで改善するとすれば、ベストトリム乳酸菌は妊婦さんと赤ちゃんと子どもを食事制限の苦しみから解放して、アレルギーと精神障害から救う素晴らしい発明になると、私は乳酸菌特許の秘める可能性に自信を強めたので有ります。

カテゴリ:アトピー
妊娠中にビフィズス菌+乳酸桿菌を飲むと赤ちゃんのアレルギーの予防のみならず、母親の妊娠糖尿病を3分の1に予防できる。

 妊娠中にプロバイオティクス(ビフィズス菌+乳酸桿菌)を飲むことが母親と胎児の両方にとって、健康に良い効果をもたらすという医学実験結果を、フィンランドの Erika Isolauri のグループが発表しています。彼女らのグループは、乳酸菌で乳児のアトピー発病を半分に減らすことが出来ると、2001年に英国の医学雑誌Lancetに世界で最初に発表して以来、常にプロバイオティクスの臨床医学研究で世界をリードしてきています。原著はLuoto R, Laitinen K, Nermes M, Isolauri E. ”Impact of maternal probiotic-supplemented dietary counselling on pregnancy outcome and prenatal and postnatal growth: a double-blind, placebo-controlled study.” Br J Nutr. 2010 Jun;103(12):1792-9. Epub 2010 Feb 4.からの抜粋です。

 周産期の栄養環境は母親と子どもの両方に長期間にわたって健康と幸せに強く影響します。この研究の目標は、周産期に乳酸菌サプリメントを投与して栄養指導を行うことの安全性と有効性を、妊娠中と胎児期と赤ちゃんの成長経過を2年間にわたって観察し評価することです。合計で256名の母親が、妊娠の前期(3分の1期以前)に何もしないコントロール群と食事指導を受けるグループとに無作為に振り分けられました。食事指導群には栄養士による強い食事指導が行われ、さらに乳酸桿菌(LGG)+ビフィズス菌(Bb12)のサプリメントを投与する群とプラセボ投与群に2重盲験で無作為に振り分けられました。
 まず第一に、妊娠中のプロバイオティクス投与は妊娠糖尿病(GDM)を有意に、(投与群13%、非投与群36%、コントロール群34%、危険率=0.003)に減少させました。(GDM:妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常で、あきらかな糖尿病は含めない。# 日本の基準では;75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。 1. 空腹時血糖値 ≧92mg/dL(5.1mmol/l) 2. 1時間値 ≧180mg/dL(10.0mmol/l) 3. 2時間値 ≧153mg/dL(8.5mmol/l)
 第二には、妊娠経過が正常であり、母親と子どもの両方に不利益な作用が認められなかったことから、この方法の安全性が確認されました。
 第三には、二つの干渉する効果が示唆されました。すなわちプロバイオティクス投与と栄養指導の併用は妊娠糖尿病のリスクを低下させると共に、栄養指導単独でも巨大児のリスクを体重で有意に(p=0.035、身長でp=0.028)低減させることです。

 今回の実験結果から、周産期の栄養指導とプロバイオティクス投与の併用は安全で費用効果の高いメタボリックへの対策であると考えられます。巨大児が妊娠後期の危険因子であることを鑑みると、今回の実験結果はこの危険性が修正可能なものであることを強調した点で、世界中の健康に対して重要なものであります。

 さて、フィンランドの Erika Isolauri のグループは2001年の世界的発表に続いて、妊娠糖尿病という分野で二度目の世界初の発表をしたことになり、同じ小児科医としましては全く頭が下がる思いでありますが、彼女たちが追い求めてきている、妊娠中と離乳期間中の乳酸菌プロバイトティクス(ビフィズス菌+乳酸桿菌)投与の効果を調べていて、ついでに発見した副産物の可能性もありますが、プロバイオティクスの投与が妊娠糖尿病リスクを3分の1にまで下げるというのは実に衝撃的な報告であります。
 なぜならば妊娠糖尿病は母親自身にとって、特にHbA1C6.1%以下で75gOGTT2時間値≧200mg/dLの場合は、明らかな糖尿病とは判定し難いので、High risk GDMとし、妊娠中は糖尿病に準じた管理を行い、出産後は糖尿病に移行する可能性が高いので厳重なフォローアップが必要である、と述べられたとおり大変危険であります。また母体の合併症としては妊娠中毒症、尿路感染症、羊水過多症の危険性が増大します。妊娠糖尿病から起こりやすい赤ちゃんの症状としては巨大児の症状とそれに合併しやすい新生児仮死、低血糖症などが挙げられますので、プロバイオティクスは母体と妊娠経過中に加えて赤ちゃんへの危険因子をも大幅に減少させることでしょう。

 前2回の記事とも合わせて、赤ちゃんのアトピ-を防ぐ観点からも考えるならば、妊娠がわかった時点から乳酸菌プロバイオティクス(ビフィズス菌+乳酸桿菌)を飲み始めることは、母親と赤ちゃんの大きな幸福に直結する素晴らしい方法だと思われます。ベストトリム乳酸菌には赤ちゃんのアトピーを防ぐのみならず、母親の糖尿病、妊娠中毒症、尿路感染症、羊水過多症、新生児の仮死と低血糖症までも防ぐ大きな効果が期待できるのです。

カテゴリ:アトピー
妊婦と乳児への乳酸菌投与が2才時のアトピー発病を半分に予防する:世界最初の医学報告

 原著はフィンランドのグループが英国の医学雑誌Lancetに2001年に発表した、妊婦と乳児に乳酸桿菌を投与してアトピー性皮膚炎の発病を半分以下に予防したという報告である。Kalliomaki M, Salminen S, Arvilommi H, Kero P, Koskinen P, Isolauri E.:Probiotics in primary prevention of atopic disease: a randomised placebo-controlled trial.:Lancet. 2001 Apr 7;357(9262):1076-9.今回はこの医学論文の概要をダイジェスト版で掲示します。

 アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息等のアレルギー性の慢性炎症性疾患は先進国で増加の一途をたどってきた。小児アレルギーの国際的な調査によれば、13才から14才までのこどもの10~20%が喘息に罹患しており、15~23%にアレルギー性鼻炎、15~19%にアトピー性皮膚炎の症状がみられる。
 我々は共益性の腸管内細菌叢が散発的な感染症よりもアトピー性疾患の予防に重要であることを提言する。腸管内の細菌叢は抗アレルギー作用を以下のプロセスで発揮すると考えられる。
(1)Th1型ヘルパーT細胞免疫 (2)TGF-βを介した免疫調節:これはTh2型ヘルパーT細胞によるアレルギー性炎症を抑制して経口脱感作を誘導する (3)腸管膜バリア機構の主役であるIgA産生の誘導
 これらの経路から、腸管内細菌叢は胎児や新生児期の、人類がもって生まれるTh2型細胞に偏った免疫システムを反転させる、後天的な調節機構であると推論される。結論として腸管内の共益性微生物は、人生の最初にして最大の腸管免疫を成熟・発育させる刺激となっていると思われる。

 二重盲験プラセボ対照試験で、周産期の母親と新生児に6ヶ月間乳酸桿菌(LGG)ヲ投与してアトピー性皮膚炎の予防効果を調べた。1997年2月から1998年1月までの期間、フィンランドのTuruk市(人口17万人)で、同胞内に最低1名以上、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息のいずれかの家族歴がある出産前の妊婦が調査対象となった。159名の母親が二重盲験法で、出産予定日の2~4週間前から乳酸桿菌(LGG)100億個入りのカプセルを飲む群とプラセボ入りのカプセルを飲む群に分けられた。授乳中の母親もカプセルを飲み続け、乳児にはカプセルの中身を水に溶かしてスプーンで与えた。カプセル投与は生後6ヶ月まで続けられ、データの収集と解析が2000年3月まで続けられた。被験者の赤ちゃんたちは3ヶ月、6ヶ月、1才、1歳半、2才で小児科を受診して、2才時のアトピー性皮膚炎発病率が調査された。

 乳酸桿菌投与群とプラセボ群には背景の差はなかった。159組の母子中で全観察期間を完了したのは投与群64組、プラセボ群68組の合計132組であった。この132人の乳児中、46人(35%)が2才の時点でアトピー性皮膚炎と診断された。両群間で、総IgE値、RASTスコアー、プリックテストでは一貫した有意差はみられなかった。

 乳酸桿菌投与の効果は、2才時のアトピー性皮膚炎発病率が投与群で64名中15名(23%)であるのに対し、プラセボ群では68名中31名(46%)と危険率p=0.008で有意に、乳酸桿菌がアトピー発病を抑制することが確認された。

 この実験モデルは、小生が1996年から1998年にかけて行った、静岡県焼津市での臨床実験と同じ発想から生まれたもので、小生は1998年に実験結果を同じLancetに投稿しましたが、二重盲験プラセボ対照試験で無いという理由で受理されなかったのは、以前も書いたとおりです。改めて今この論文を読み返してみると、地球の裏側のフィンランドに私と全く同じ時期に同じ事を考えていた小児科医がいたと言うことに学問の悠遠さと不思議さを感じます。
 小生は医学者としての名誉は取り逃がしましたが、この研究を実用可能な段階まで完成して、特許として広く使用できるように開示しました。特許の技術で製造されたベストトリム乳酸菌が日本中のみならず、世界中のアトピーで苦しむ人々を救う福音となることを心から願っております。

 

 

カテゴリ:アトピー
アレルギーを持つ母親が妊娠中・授乳中に乳酸菌プロバイオティクスを飲むと、母乳中のTGF-β2が増加して、食事アレルギーを防ぐ

 アトピーの母親が赤ちゃんに母乳を与え続けることが乳児のアトピーに影響するかどうか、母乳を通して赤ちゃんが食事アレルギーを発病するのかどうかについては、充分な医学データがまだ出されていません。今回も前回に引き続いて、フィンランドの Isolauri E のグループが報告している、アトピーの母親にビフィズス菌+乳酸桿菌のプロバイオティクスを与えた時に母乳中のサイトカインがどのように変化するのか、また母乳栄養が赤ちゃんのアトピーに影響するかどうか、アトピーを防ぐには赤ちゃんに母乳を与えるべきか、あるいは母乳を中止するべきかの論争に一つの医学的根拠を与える実験結果を紹介いたします。
 原著はHuurre A, Laitinen K, Rautava S, Korkeamaki M, Isolauri E.:”Impact of maternal atopy and probiotic supplementation during pregnancy on infant sensitization: a double-blind placebocontrolled study.":Clin Exp Allergy. 2008 Aug;38(8):1342-8.からのダイジェスト版の引用です。

 母乳を与えることが赤ちゃんのアトピー予防には最も良い方法と考えられています。しかしながら、母乳栄養が赤ちゃんのアトピーを減らすと言う報告と、逆に増やすという報告の両方が提出されています。完全母乳で育てていても、赤ちゃんにアレルギー症状が出ることは珍しくはありません。一つの解釈として母乳の中にアレルギー誘発要因があると考えられます。最近になって、私たちはアレルギーを持つ母親の母乳中には(アレルギーを抑える物質である)TGF-β2 が少なく、このような母親にプロバイオティクスを与えると、母乳中のTGF-β2が増えることを報告しました。
 周産期の母子に適切な乳酸菌プロバイオティクスがサプリメントとして投与されれば、赤ちゃんのアトピー発病を予防できることが医学データとして報告されています。しかしながら、乳児の過敏症を防ぐ免疫学的な証拠は不十分でした。プロバイオティクスが乳児の感染症と、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎を防ぐという医学報告は有りましたが、赤ちゃんの食事抗原への過敏性については調べていなかったからです。今回のプラセボ対照試験では、私たちは母親自身のアトピーの状況がどのように赤ちゃんのアトピーに影響を与えるかについて検証し、乳酸菌プロバイオティクスが乳児のアトピー予防にいかに貢献するのかを評価します。そのために母親のアトピーの状況が母乳中のサイトカインに与える影響と、赤ちゃんの抗原過敏性に与える影響を調べました。

 合計で171組の母子が今回の、栄養指導と乳酸菌サプリメントを併用した二重盲験プラセボ試験に参加しました。1才時までの観察を皮膚プリック試験を含めて全過程を完了したのは140組でした。プロバイオティクス投与群には乳酸桿菌(LGG)とビフィズス菌(LBb12)が一日あたり各100億個与えられました。

 1才時点で行った皮膚プリック試験での過敏性試験では、全体の30%の乳児が何らかの抗原に陽性反応を呈しました。最も陽性率が高かったのは卵白抗原で26%、次に多かったのは牛乳抗原で7%でした。このプリック試験の結果は健康な母親の赤ちゃんでは21%、母親自身アレルギーはあるがプリック試験は陰性の場合には23%の赤ちゃんで陽性でしたが、母親自身がアレルギーでかつプリック試験も陽性の場合は37%の赤ちゃんが陽性でした(オッズ比2.24、危険率p=0.119)。母親がプリック試験陽性かどうかは、その子どもがプリック試験陽性かどうかと正の相関関係(オッズ比1.97、危険率 p=0.082)がみられました。

 母乳を与えた期間が長いか短いかが、赤ちゃんの抗原過敏性に与える影響は、母親自身のアレルギーの状況によって異なることがわかりました。アレルギーを持つ母親が6ヶ月以上母乳を与えると、乳児の抗原過敏性が強調されることがわかりました(オッズ比4.83、危険率p=0.005)。母親が皮膚プリック試験陽性の場合にも同様の傾向がみられました(オッズ比3.84、p=0.041)。また完全母乳であった期間の長さも2.5ヶ月以上か未満かで、同様に母親自身のアレルギーの状況を反映することがわかり、母親自身のアレルギーの状況と完全母乳期間の長さは正の相互関係を持つことがわかりました(相互作用検定 危険率 p=0.025)。アレルギーの母親が2.5ヶ月以上完全母乳を行った場合に、乳児に抗原過敏性が出現する危険性が高まることがわかりました(オッズ比3.43、p=0.094)。

 乳酸菌プロバイオティクスが母乳に与える影響を調べたところ、乳酸菌を投与された母親の初乳中ではTGF-β2が非投与群より増加していました。同様の傾向はアレルギー抑制性サイトカインにもみられました。乳酸菌投与群では非投与分に比較して、アレルギーを持つ母親の初乳中のTGF-β2が1.56倍に増加(p=0.094)していました。

 赤ちゃんの抗原過敏性発現リスクに対するプロバイオティクスの効果も、母親のアレルギー状況に依存していることがわかりました。母親自身が皮膚プリック試験陽性の場合には、乳酸菌投与群で26%、非投与群で50%の乳児が1才時に抗原過敏性を示しました(オッズ比0.34、p=0.023)。1才時点でアトピー性皮膚炎の診断を受けた乳児の比率は、プロバイオティクス投与群で9.7%、非投与群で17.6%でした(p=0.131)。

 以上の結果から、アレルギーを持つ母親が妊娠中・授乳中に乳酸菌プロバイオティクスを飲むと、母乳中のTGF-β2が増加することによって、赤ちゃんに抗原過敏性が発現することを阻止できるものと考えられます。

 さて、赤ちゃんのアレルギーを防ぐには完全母乳が一番良いとは限らない、母親がアレルギーの場合は母乳を与えることで赤ちゃんにアレルギーの起こる可能性を増やすらしいと言う、実にショッキングな医学実験の結果が提示されました。そして、母親がアレルギーの場合は母乳を与え続けることで乳児のアレルギー反応を誘発すること、その悪影響はアレルギーの母親が乳酸菌プロバイオティクス(ビフィズス菌+乳酸桿菌)を妊娠期間中と授乳期間中飲むことで、母乳中の TGF-β2が増加することによって緩和されることが科学的に証明されました。小生の開発したベストトリム乳酸菌を飲むことで、アレルギーの母親から生まれた赤ちゃんが、完全母乳で育てられたときにアトピーを発病しないようにできれば、私の研究も皆さまのお役に立つことになり、開発者としてはうれしい限りであります。

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喘息などのアレルギーを防ぐ乳酸菌;ビフィズス菌の中で最も抗アレルギー効果が高いのはブレーベ菌!

 乳酸菌には多くの種類がありますが、どの乳酸菌が最も抗アレルギー効果が強いのかが知りたいところです。前回まではフィンランドの Isolauri E のグループの報告を中心に乳酸菌プロバイオティクスのアレルギー予防効果、臨床医学効果を、妊娠中と授乳中の乳児の実験から述べてきましたので、今回は乳酸菌の種類によって抗アレルギー効果の有無・強さが異なる事を調べたオランダの大学による医学報告を紹介します。原著は Hougee S,et al:"Oral treatment with probiotics reduces allergic symptoms in ovalbumin-sensitized mice: a bacterial strain comparative study."Int Arch Allergy Immunol. 2010;151(2):107-17.からの抜粋引用です。

 アレルギー病の治療に共益性乳酸菌プロバイオティクスが有効であるとの医学実験から、腸内細菌叢の役割の重要性が強調されてきています。今回の実験の目標は、6種類の乳酸菌から最も優れた抗アレルギー効果を持つ乳酸菌を、卵白抗原(OVA)で誘発される気管支喘息の実験動物モデルで発見することです。実験方法の概要:卵白抗原で感作されたBALA/cマウスに、ビフィズス菌;ブレーベ菌M-16V/インファンティス菌/アニマリス菌2株、および乳酸桿菌;プラタナス菌/ラムノサス菌の6種類を経口投与しました。卵白抗原の肺への吸入後にmethacholineへの反応(気道過敏性試験)を測定しました。(訳注:気道過敏性は,喘息の最も基本的な病態であり,その測定には,methacholineとヒスタミンが用いられる)気道炎症の病体は気管支肺洗浄液の炎症細胞分析と、インターロイキン4(IL-4),IL-5、IL-10、インターフェロン-γ、卵白抗原特異IgE、IgG1、IgG2の測定で評価しました。さらに、ビフィズス菌;ブレーベ菌M-16Vと乳酸桿菌;プラタナス菌投与後の急性皮膚反応を計測しました。
 実験結果:6種類の乳酸菌の中では、ビフィズス菌;ブレーベ菌M-16Vと乳酸桿菌;プラタナス菌が、(1)methacholineへの反応(喘息症状の指標;気道過敏性)を阻害しました。(2)気管支肺洗浄液の中の好酸球数(気道アレルギー炎症の指標)を低減しました。(3)卵白抗原特異IgEと(4)IgG1の両方を低減させました。しかしながら、他の乳酸菌にはこのような効果はみられませんでした。さらに、乳酸桿菌;プラタナス菌にはなく、ブレーベ菌M-16Vだけに卵白抗原に対する急性皮膚反応低減作用が確認されました。以上の実験結果より、ビフィズス菌;ブレーベ菌M-16Vが最も優れた抗アレルギー効果を持つ菌であると結論できます。

 今回の実験からわかることは、乳酸菌なら何でも良いというわけではないことです。私の15年間の乳酸菌を使ったアレルギー治療の実績からも、生きたビフィズス菌+乳酸桿菌の組み合わせが一番強い抗アレルギー効果が有ることが、西焼津こどもクリニックの臨床から認められています。私の特許第4010062号【アトピー性皮膚炎を防ぐ保健食品】を使って製造される《ベストトリム乳酸菌》は実はこのビフィズス菌;ブレーベ菌M-16Vを400億個という高濃度で生きたまま家庭に送り届けることに成功した唯一のサプリメントです。この特許の乳酸菌ベストトリムが日本中からアトピーやアレルギーを無くすために役立つことが、アトピー、アレルギーを専門とする医師としての私の生涯の夢であります。

 生きたブレーベ菌を400億個使用した、特許の乳酸菌ベストトリムが秘める抗アレルギー効果には計り知れないものが有ると、この論文は証明しています。最も驚かされたのは、マウスの実験とはいえ、卵白抗原による気管支原則発作をブレーベ菌は完全に阻止できているという事実でした。ブレーベ菌を400億個使用したベストトリム乳酸菌を妊娠中と離乳食期の赤ちゃんに使えば、喘息などのアレルギーとアトピー性皮膚炎を撲滅する私の夢は必ず実現すると、自説の正しかったことに一層の自信を深めました。いつかアトピーの名医として日本中から患者さんが集まるようなクリニックを作るのが、私の未来の夢でもあります。

 
 

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卵白アレルギー・赤ちゃんの食事アレルギーの予防と治療には生きた乳酸菌(ブレーベ菌)が有効と思われる

 前回の記事では、マウスを卵白抗原で感作して気管支喘息発作を起こさせる実験で、乳酸菌プロバイオティクス(ブレーベ菌)が強い抗アレルギー力を持つことを提示しました。少し難しい実験結果でしたので、簡単にもう一度まとめておこうと思います。
 卵白アレルギーは乳児にみられる最も頻度の高い食物アレルギーです。マウスを使って、あらかじめ卵白抗原でアレルギーを作っておきます。その後で、赤ちゃんの腸に多くみられる共益性乳酸菌(ブレーベ菌)を飲ませて、卵白抗原を吸入させて喘息発作が起こるかどうかを調べました。その結果、ブレーベ菌を与えたマウスでは、卵白抗原で喘息発作が起こらなかったことと、皮膚への過敏性試験で皮膚の炎症が起こらなかったことから、ブレーベ菌は食事抗原によるアレルギー誘発反応を幅広く阻止したという結果でありました。
 この実験結果から、乳酸菌(ブレーベ菌)には既に起こってしまったアレルギー反応を止める効果がある、つまり乳児のアトピーや食物アレルギーの予防と治療の両方に使うことが出来るというのが、今回の実験から導かれる臨床上の応用理論です。このような強い抗アレルギー力は同時に測定した他の5種類の乳酸菌にはみられなかったので、ブレーベ菌は赤ちゃんの食事アレルギーに対して一番有効な乳酸菌であると結論されています。
 私のクリニックでの1996年からの乳酸菌プロバイオティクスを用いた治療では、1日あたり最低200億個のビフィズス菌が治療効果を得るには必要で、安定した治療効果は1日に500億個程度のビフィズス菌投与で得られることが判明しています。私の特許はこの実験結果から獲得されました。ビフィズス菌を500億個含み、その大半をブレーベ菌で作られたベストトリム乳酸菌は、赤ちゃんの卵白アレルギー、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーを効率よく予防し、さらには治療にも応用できる有望な共益性乳酸菌だと考えられます。
 アトピーや食事アレルギーで苦しむ多くの乳児や子どもたちに、ベストトリムが明るい未来を提示できることを心から願っております。

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赤ちゃんのアトピー性皮膚炎、予防方法と治療方法の決め手はスキンケアと乳酸菌

 難しい医学論文の解説ばかり続くと読者層が偏りますので、今回は私の治療経験から、赤ちゃんをアトピーにさせない方法、乳児の湿疹、アトピー、食事アレルギーを早く綺麗に治す秘訣を簡単に伝授しようと思います。

 私は静岡県焼津市で20年以上、赤ちゃんと子どものアトピーを専門に治療してきましたが、ステロイドをなるべく使わないで乳児のアトピー性皮膚炎を治療するには、スキンケアと乳酸菌が決め手になると考えています。以前は漢方薬をよく使いましたが、赤ちゃんと子どもへのアトピーの漢方薬治療はせいぜい30年くらいの実績しかなく、歴史が浅く効果も不確実です。苦い漢方薬を泣きながら何年も飲ませたけれど結局治らなかったと、悲嘆にくれて私のクリニックに駆け込むお母さんも少なくありません。

 私が独自に開発したスキンケアと乳酸菌を使った治療はさらに歴史が浅く、1996年から15年余りの歴史があるだけです。しかし私には乳児のアトピーには漢方薬よりはるかに有効で、お母さまと子どもへの苦痛の少ない治療法だと考えられます。そう言っても、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の全てがスキンケアと乳酸菌だけで治ると考えるのは間違いです。適切な感染症治療と抗炎症治療(ステロイドを含む)の組み合わせが早く綺麗にアトピー性皮膚炎を完治させる秘訣だと私は考えています。

 ですから、『アトピー治療にステロイドは駄目』と頭から決めつけるのが最初の間違いの出発点で、医者を疑う素人さんたちを食い物にする『アトピービジネス』に付け込まれる弱点となります。大金を費やして健康まで失う無意味なアトピービジネスに嵌らないためには、医師の力量を信じてステロイドを怖がらないこと、感染症の治療とステロイド療法を適切に使用すること、さらにリンパ球のTh1/Th2バランスを適正化する抗アレルギー薬の内服に、生きたビフィズス菌をサプリメントとして併用し、何よりも毎日のスキンケアで肌をきれいに保つこと、このオーソドックスな正攻法こそが、アレルギーを克服しアトピーを完治させる王道だと私は考えています。

 小生の開発したベストトリム乳酸菌が、アトピー性皮膚炎を完治するために世界中の人々に愛される製品となり、日本のアトピー治療の名医が静岡にいると認められるようになることを心から願っております。

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ビフィズス菌と乳酸桿菌は妊娠中と乳児期早期(0ヶ月から)安全にアトピー予防に使用できます

 ビフィズス菌(ブレーベ菌)と乳酸桿菌(アシドフィルス菌)が赤ちゃんと子どものアトピー性皮膚炎の予防と治療に大変有望なアイテムであることを述べてきましたので、今回はこれらのプロバイオティクスの安全性について書かれた医学論文を紹介していこうと思います。

 原著はAllen SJ,et.al.”Dietary supplementation with lactobacilli and bifidobacteria is well tolerated and not associated with adverse events during late pregnancy and early infancy." J Nutr . 2010 Mar;140(3):483-8. 英国のグループの発表からの抜粋引用です。

 乳酸菌およびビフィズス菌は、妊娠中の女性と乳児に対して健康増進の目的で投与される機会がどんどん増え続けています。これらのプロバイオティクスには長期間にわたって副作用が無く安全であるとの使用記録がありますが、妊娠中や乳児期という潜在的な弱い体質の中で、全く副作用がないかどうかを確認する必要はあると考えられます。私たちは赤ちゃんのアトピーを予防するためにプロバイオティクスを飲ませることの安全性を、プラセボ使用の二重盲験試験で評価しました。

 二種類の乳酸桿菌(L.salivarius,L.paracasei)と二種類のビフィズス菌(B.animalis,B.bifidum)を合計で100億個にして、妊娠の最後の1ヶ月と0ヶ月から6ヶ月の乳児に毎日経口投与しました。副作用の有無はWHOの国際疾病分類の基準に基づいてランク分けされました。よく診られる症状は一般的な質問紙法で記録されました。

 乳酸菌を使用した220組の親子と、プラセボを使用した234組の親子の試験前の状況には全く差がありませんでした。実験の判定基準、フォローアップ中の離脱率、副作用的症状、薬剤の使用、幼児の成長、栄養の方法、医者への訪問と幼児の健康状態に対する母親の評価は、2つのグループの点で全く同様でした。

 乳酸菌使用群では15人の母親(6.8%)と73人の乳児(33.2%)に何らかの副作用が出現し、プラセボ使用群では21人の母親(9.0%)と75人の乳児(32.1%)で何らかの副作用が出現し、それぞれの危険率は、p=0.49と p=0.84 でした。重度の副作用は全体中で18人の母親と63人の乳児に出現し、その頻度は乳酸菌群とプラセボ群で全く同じでした。したがって全ての副作用は乳酸菌使用の有無とは無関係でした。私たちの実験結果から、これらのプロバイオティクスを混合して妊娠中と乳児期早期に使用することが安全であることが確認されました。

 この医学報告は、妊娠中と乳児期早期の乳酸菌の安全性をプラセボ対照の二重盲験試験で確認した最初の報告のようで、0ヶ月から赤ちゃんにも安全である事を示した点で大変価値があります。ベストトリム乳酸菌では、万が一の危険性を考えて、生後2ヶ月からの使用を奨めていますが、この論文の結果をみる限り、0ヶ月から使用しても問題はないようにも思えます。

 もう一点わたしが感銘したのは、母親の副作用出現率はプラセボの方が多く、9%にも上ること、さらには乳児でのプラセボ群の副作用出現率が32%、およそ三人に一人も出現していると言うことです。このことはプラセボ対照の二重盲験試験に対する不安が呼び起こす副作用であり、未知の治療を実験される患者の苦痛は我々の想像以上に厳しいと言うことです。開業医である私がプラセボ対照の二重盲験試験を行わなかった理由はここにあり、逆に言えば、このような厳しい環境でもプラセボ対照の二重盲験試験を行える、英国の患者さんたちの医師への信頼感と医学研究への協力の強い態度には全く頭が下がる思いです。医師を馬鹿にして見下した態度で、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんへのステロイド外用を拒否する、鬼のような昨今の日本に出没するモンスターペアレンツ様達に、英国のお母さんたちの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいと密かに願ったのでありました。
 
 今回は思わずオフレコの本音がちょっと洩れてしまいました。気に障った方には御免なさいです。m(..)m

カテゴリ:アトピー
生きた乳酸菌ベストトリムは赤ちゃんのアトピーを防ぐために十分安全性に考慮されています

 乳酸菌プロバイオティクスの安全性と有効性に関する医学報告をもう一編ご紹介しようと思います。原著は Boyle RJ, Robins-Browne RM, Tang ML.”Probiotic use in clinical practice: what are the risks?”Am J Clin Nutr. 2006 Jun;83(6):1256-64; quiz 1446-7. 前半の安全性に関する報告からの抜粋引用です。

 乳酸菌プロバイオティクス食用の歴史は数千年昔にさかのぼり、ペルシャの伝説にアブラハムが長寿と子孫繁栄に毎日ヨーグルトを食べたことが伝えられています。20世紀初頭にはロシアの免疫学者メチニコフが乳酸菌には健康増進効果があり、長寿に役立つことを提言しました。近年になり乳酸菌の健康増進効果は厳密な科学的検証を受けるようになり、現在のところプロバイオティクスが人類の何らかの病気の治療と予防に有効であるとの確固たるデータは報告されていません。(訳注:これは2005年時点の報告で、乳児のアトピー性皮膚炎に関しては最近では予防効果を支持する医学報告が多く提出されています)

 プロバイオティクスの定義は「適量を摂取すれば健康に有益である生きた微生物」とされています。プロバイオティクスは「生きた微生物体」でなければならず、殺菌したり破壊された菌体よりも生きた菌の方が人の免疫系に対して効果的であるとの医学報告も提出されています。プロバイオティクスは胃酸と胆汁の消化に耐えて腸管まで到達しなければならず、かつ全く病原性がないことが必要です。このようなプロバイオティクスの代表はビフィズス菌と乳酸桿菌です。これらの中には健康な人腸管由来の菌と、そうではく日常的に発酵食品に使用されている人類以外由来の菌とがあります。しかしながら、これらの人体以外からの菌には病原性がないかどうかの慎重な検証が必要です。

 プロバイオティクスの医学応用で最も確かに証明されているのは下痢に対する効果です。その1例には抗生物質による下痢に対するプロバイオティクスの効果を支持するメタ解析の報告があります。(訳注:共益性乳酸菌による乳児のアトピー予防を支持するメタ解析報告は2008年に発表されました)また、多種類の乳酸菌を3000億個混和したプロバイオティクスが慢性炎症性腸疾患患者に有効であるとのプラセボ対照2重盲験試験が有ります。大多数の医学報告は胃腸の消化管に関するものですが、それ以外にはアトピー性皮膚炎の予防に関する報告も提出されています。

 プロバイオティクス使用時に想定される最大の副作用は菌血症です。プロバイオティクスの安全性は長年の使用で確立されてきていますが、またHIV感染者や新生児、未熟児、等に乳酸桿菌の数種類が特に副作用なく投与できたとする報告も提出されています。フィンランドでは1990年以来LGG菌の販売が急激に増加し、1992年だけでも3000トンものLGG菌が消費されました。このような大量の乳酸桿菌の消費に反して、フィンランドではプロバイオティクスに由来する菌血症は発見されていません。この事実はプロバイオティクス、とりわけ乳酸桿菌が安全であることの証明となっています。

 理論上のプロバイオティクスに関する副作用の心配は、腸管内で粘膜組織と強固に結合する菌が選ばれていると言うことで、この点で全身に播種して悪い作用を及ぼすことが懸念されます。胸腺を除去したマウスの新生児期に乳酸桿菌やビフィズス菌を投与すると、成熟マウスでは起こらない菌血症が起こり死亡することが実験で確認されています。この実験結果は免疫不全のある新生児ではプロバイオティクス使用は危険性が高いことを示唆しています。

 これらの理論上の危惧は、近年のプロバイオティクスによる菌血症例の報告で脚光を浴びるようになりました。表1に示したように、3ヶ月から74才までの乳酸桿菌使用7名(うちLGGが6名)および25才から79才までの Baccillus subtilis 菌(納豆菌の一種)80億個使用5名で菌血症、肝臓膿瘍、細菌性心膜炎の報告が提出されています。乳酸桿菌使用での発病者は全員が基礎疾患を持っていましたが、 Baccillus subtilis 菌80億個使用の発病者には基礎疾患のない症例も含まれていました。乳酸桿菌で発病した乳児例の全員が未熟児で腸管奇形を合併していました。また、表2に示したのは saccharomyses boulardii (フルーツ酵母 ブラウディ)による24例の播種感染例ですが、ほとんどの症例が免疫低下の日和見感染でした。以上の総括として、免疫不全等での日和見感染と、未熟児ではプロバイオティクスは慎重に使用するべきだと考えられます。

 2007年に発表されたこの医学論文を見ても、近年のプロバイオティクスに関する評価が2転3転してきたことを改めて実感いたします。20世紀終わりに多くの不確かな健康増進効果への期待と共に販売が急増したプロバイオティクスは、2001年にフィンランドで乳児のアトピ性皮膚炎の予防効果が報告されると、世界中から注目され使用量が急増しました。しかし、予防効果とでは受益者に実感を与えないために、治療効果を強調しすぎるコマーシャル戦略が先走りしすぎて、2006年から2007年にかけては逆にビフィズス菌と乳酸桿菌の使用に否定的な論文が多く提出された時期でもありました。2008年以降はメタ解析による乳酸菌プロバイオティクスの乳児アトピー性皮膚炎予防効果が確認され、最近は再び、共益性乳酸菌が赤ちゃんのアトピーを予防することを完璧に証明する方向でのプラセボ使用2重盲験試験の実験結果報告が続いています。

 2010年6月に発売されたベストトリム乳酸菌はこれまでの医学報告を完璧に網羅した上で、赤ちゃんのアトピー、アレルギーを予防するために最大の効果と十分な安全性を兼ね備えた製品であると、自信を持って皆さまにお勧めできるのです。小生の発明を応用したベストトリム乳酸菌が日本からアトピーを撲滅するために役立つことを心から願っております。

カテゴリ:アトピー
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