TOP2010年03月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ:スポンサー広告
特許の乳酸菌(ビフィズス菌+アシドフィルス菌)の商品化決定

長年お待たせして申し訳有りませんでしたが、特許の乳酸菌(ビフィズス菌+アシドフィルス菌)の商品化が決定いたしました。本年、2010年の6月か7月には発売できる見通しです。製品に関する紹介記事は、6月か7月に発売される月刊雑誌『健康365』で発表される予定ですので、アトピーを予防する乳酸菌に興味のある方は、この雑誌を購入して内容をご確認下さい。

アトピーを予防する特許の乳酸菌の発売に向けて、学術データーも海外および国内の医学論文から収集して、このサイトで紹介・掲載してゆく予定でおります。出産前の母親と乳幼児へのビフィズス菌とアシドフィルス菌の投与がアトピー性皮膚炎の発病率を下げる効果があることは、過去10年の数多くの医学的研究から明らかにされてきています。これらの科学的な実証に基づいた医学データをわかりやすく解説いたしますので、ご期待下さい。

1996年に乳酸菌によるアトピー発病ブロックを考案して、2007年に特許として認められ、ようやく日本中からアトピーを撲滅するという、私の小児科医としての大きな夢が、間もなく現実のものとなろうとしているのです。この期間中の医学的進歩の恩恵で、日本中、いや世界中の少しでも多くの人たちがアトピーから解放されることを強く希望しています。
スポンサーサイト

カテゴリ:アトピー
プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(1)

原著は Ji G.E.: Probiotics in primary prevention of atopic dermatitis : Forum of nutrition 2009; vol.61, pp117-128 で、主として2000年以降に発表された、プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防に関連する約40編あまりの英文医学論文のレビュー(総説)記事である。全体が2部構成になっていて、前半がヒトでの治験データを収集し、後半が細胞分析手技と動物実験のデーターを収集している。今回は前半部分のビフィズス菌、アシドフィルス菌等をヒトに使用してアトピー性皮膚炎を予防、あるいは治療した医学データのレビューを概説する。

消化管は食物や一般的な細菌、あるいは病原体と常時接触している意味で、重要な免疫担当臓器である。ビフィズス菌と乳酸桿菌属は消化管内に共生する主要な微生物であり、プロバイオティクスとして頻用されている。これらの菌は宿主の免疫機能を正常化する有効な生理的効果を持つことが知られている。近年プロバイオティクスのアレルギー疾患発病予防効果に注目が集まっている。

疫学データはアレルギー疾患の発病には環境因子が重要であることを示唆しており、『衛生仮説』が提唱されてきた。衛生仮説によればワクチンや抗生物質の使用と衛生状態の改善で、小児の感染症が減少した反面、免疫系への感作機会が減少し、Th1細胞のTh2細胞に対する優位性が失われ、アレルギー疾患の頻度が増えるという。しかしアレルギー疾患の発病は単なるTh1細胞とTh2細胞の比率だけではなく、もう少し複雑であることが明らかになってきた。TH1細胞活性の異常な上昇と、レギュラーT細胞の機能不全がそれである。免疫異常の予防にはレギュラーT細胞の活性化が重要な役割を担うというのが新しい仮説である。

無菌的な環境で飼育されたマウスはTh2細胞依存型の免疫反応が残り、経口的な食物への脱感作に失敗するのに対し、新生児期から細菌類と接触していたマウスでは経口的な食物への耐性を獲得する。正常な腸内細菌層が成立することが正常な腸管バリア機能を維持し、免疫耐性を獲得するために不可欠である可能性が示唆されている。

アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に罹患している乳幼児の腸管では、正常児と比較して乳酸桿菌属やビフィズス菌の頻度が低く、(悪玉菌の)クロスティリデューム属の頻度が高いことが示されている。このような経緯からプロバイオティクスの免疫機能正常化の可能性とアレルギー疾患予防効果が臨床医、食用微生物研究者、栄養学者の間で注目されるようになった。

『プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防効果のヒトでの治験』

近年になってプロバイオティクスの投与によって免疫耐性の獲得と抗炎症作用が誘導され、アレルギー発病率が低下することが報告された。自験例で二重盲験・無作為比較試験を行った結果では、ビフィダム株ビフィズス菌BGN4と乳酸桿菌AD011とアシドフィルス菌AD031を混合して周産期に経口投与した乳児群では、非投与群に比較して統計的に有意に有病率と累積的な発病率が低下した。服部の報告によれば、腸管内でビフィズス菌が欠乏しているアトピー性皮膚炎児に凍結乾燥したビフィズス菌を経口投与したところアレルギー症状の改善が見られた。乳酸桿菌reuteri ATCC55730株を用いた二重盲験・無作為比較試験では、8億個の菌株を妊娠36週以後の母親に出産までと、生まれた乳児に1歳になるまでの期間投与した群では、子どもが2歳になった時点でのIgE関連皮膚炎の頻度が統計学的に有意に低かったものの、乳児湿疹の予防効果は確かではなかった。乳酸桿菌 rhamnosus株と reuteri株を混合して経口投与すると、アトピー児の湿疹の範囲を狭めることが出来、好酸球活性を示す血液検査値が低下した。この実験では両親にアレルギー体質がある方がはっきりとした結果が得られた。以上の結果はプロバイオティクスが腸内環境を通じてアレルギー性炎症を改善することを示唆している。

妊娠中と授乳期間中にプロバイオティクスの投与を受けた62組の母子では、母乳中のTGF-β2の濃度が非投与群に比べて有意に高く、子どもが2歳の時点で比較すると、投与群では非投与群に比べてアトピー性皮膚炎の有病率が有意に低かった。この結果は妊娠中と授乳期間中の母親へのプロバイオティクスの投与が母乳の免疫的な保護作用を高め、子どもがアトピー性皮膚炎になるのを防ぐことを表している。乳酸桿菌 rhamnosusGG 株が妊娠中から出産後まで継続的に投与された母親から生まれた子どもでは、非投与群の母親から生まれた子どもに比べて、アトピー性皮膚炎の発病率が半分であった。

しかしながら、乳酸桿菌 rhamnosusGG 株が妊娠中から出産後まで継続的に投与された最近の実験では、子どものアトピー発病率や重症度が低下しないばかりか、逆に乳児喘鳴が増加していたとの報告もある。炎症系サイトカインの調査によれば乳酸桿菌 rhamnosusGG 株は炎症性の免疫を増強するデータがある。乳酸桿菌 rhamnosusGG 株は圧倒的多数で有用との報告が多いが、乳酸桿菌 rhamnosusGG 株による細菌性心内膜炎と肝膿瘍の報告があり、急性膵炎の乳児での死亡率が上昇したとの稀な報告も見られるので、乳酸桿菌 rhamnosusGG 株の使用時には留意が必要である。

近年のプロバイオティクスのアレルギー予防効果についての知見は確固たる証拠性には欠けるものの、ほぼ確実と言えよう。実験間で結果が相反しているのは、実験の設定の違い、対象者と環境の違い、プロバイオティクスの種類と投与量の違い、などが異なる結果を生みだしているのだと推測される。ヒトの臨床実験からプロバイオティクスの実用的なアレルギー抑制効果は知られていても、その免疫系を正常化する作用機序にはまだ不明な点が残されている。

プロバイオティクスの第一の作用点は腸管のリンパ節との接触にあるのかも知れない。しかしながらそれ以外の経路も考えうる。例えば、プロバイオティクスは腸管膜細胞層に付着して細胞層を破壊する有害な菌を少なくし、アレルギー反応が喚起されたり腸管上皮細胞層をアレルギー原因物質が透過するのを防ぐのかも知れない。

生きたビフィズス菌の投与が、加熱処理や超音波で破壊したビフィズス菌の投与よりもアレルギーの抑制には有効であることが、卵アレルギーのモデルで確認されている。生きた乳酸菌が腸管内で繁殖して他の有害菌の繁殖を抑制することが有効だったと思える。

腸管の透過性はアレルギーの発病と密接な関係がある。乳酸桿菌 rhamnosus株と reuteri株を混合してアトピー性皮膚炎の子どもに6~41週間経口投与すると、腸管の透過性を抑制してアトピー性皮膚炎も改善された。この実験結果はアトピー性皮膚炎児において、プロバイオティクスが腸管透過性を抑制することを示唆している。食物アレルギー以外でも消化管バリア機能の改善による腸管膜透過性の抑制は種々の病態に応用できる可能性がある。

プロバイオティクスのアレルギー疾患予防効果が菌と宿主の直接的な相互作用によるものであるとすれば、乳児期早期がまだ成熟途上にある腸管膜免疫細胞に作用してその成熟を助長するために最も重要な期間であることがうかがえる。だからこそアレルギー予防のほとんどの効果が乳幼児期に観察されている。






続きを読む▼

カテゴリ:アトピー
プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(2)

原著は Ji G.E.: Probiotics in primary prevention of atopic dermatitis : Forum of nutrition 2009; vol.61, pp117-128 で、主として2000年以降に発表された、プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防に関連する約40編あまりの英文医学論文のレビュー(総説)記事である。全体が2部構成になっていて、前半がヒトでの治験データを収集し、後半が細胞分析手技と動物実験のデーターを収集している。今回はこの論文中に掲載されている図版を元に、ビフィズス菌、アシドフィルス菌等をヒトに使用してアトピー性皮膚炎を予防、あるいは治療する根拠となるProbioticsの免疫調節メカニズムについて概説する。

パイエル板の免疫2

ヒトを含む哺乳類の腸管内には、いわゆる善玉菌として宿主と共存している腸内細菌叢が存在する。これらの細菌類は宿主に与える利益を期待して、Probioticsとして使用されているが、その免疫調節作用メカニズムが明らかになってきた。
上図に示されたのは、Probioticsが腸管上皮のパイエル板で免疫担当細胞に影響して、アレルギーの発病を阻止・予防する、端的に言えば食物等の外来異物を攻撃標的と認識しないメカニズムに関与するモデルである。

図の中に書き込んだように、Probioticsは、①腸管上皮細胞に接触して細胞内シグナル伝達に影響を与えて、TGF-β,IL-8,PGE2の分泌を促進する。②さらに腸管上皮の免疫調節機能中心であるパイエル板のM細胞にその生産物質と共に取り込まれ、免疫担当細胞に提示される。③樹上細胞が提示された情報を受け取り、未分化・未成熟のT細胞をレギュラT細胞(Th3,Tr1)へと分化・成熟させる。④同じくマクロファージがM細胞から情報を受け取り、IFN-γ,IL-4,IL-5を調節してTh細胞の機能分化に影響をあたえる。⑤IL-10,TGF-β,IFN-γのシグナル誘導により、T細胞の分化・成熟が正常に発現してアレルギー炎症の発病を抑制すると共に、食物への経口的脱感作を獲得する。

以上が上の図で示された、善玉菌が腸管内でどのように作用しているかを示す免疫システムのモデルである。
次に乳児のアトピー性皮膚炎を善玉乳酸桿菌の経口投与で予防するメカニズムを提示する。

アトピー性皮膚炎の発病理論2B

新生児は本来がアレルギー反応を誘発するTh2細胞優位で生まれてくる。この状況のまま無菌的・超衛生的に育てられると、Th2細胞優位のアレルギー性体質に育ってしまい、アトピー性皮膚炎を発病する。

従って、生後の微生物類との接触が必要なのだが、病原性のある微生物類と接触して乳児期に感染症を発病すると、Th1細胞の活性が強化されすぎて、結果的にやはりアレルギー性炎症を誘発・悪化させることになる。これはアレルギー炎症が、①極端に強化されたTh1細胞機能、②さらにレギュラーT細胞の機能低下でTh2細胞がTh1細胞以上に増加する、に見られるT細胞の分化・成熟の異常による免疫機能調節障害として位置づけられることと一致している。

乳児期に病原性のない、いわゆる善玉腸内細菌叢と接触した場合には先の図で示したような、腸管上皮パイエル板での腸管免疫調節システムの正常化を通じて、レギュラーT細胞の活性強化とTh1/Th2細胞比率の正常化を獲得して、アトピー性皮膚炎の発病が阻止・抑制される。

プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の初期予防(1)でも述べたように、 ビフィズス菌、アシドフィルス菌等のプロバイオティクスのアレルギー疾患予防効果は、これらの菌の生きた状態での凍結乾燥製剤を、1種類の菌よりも多種類の菌を混合した製剤として、乳幼児期早期に、両親にアレルギー素因があり、母親が周産期から授乳期を通じて内服した場合に最も効果的であるとの暫定的な結論が導かれると思われるので、①両親にアレルギー体質がある場合、②両親あるいは兄・姉のいずれか一人がアトピー性皮膚炎を罹患していた場合、③母親が妊娠中に何らかのアレルギー症状を示していた場合、はアトピー性皮膚炎発病の危険性が高いので、母親は妊娠後期の35週目頃から、生まれた乳児には生後2ヶ月目頃から、Probioticsを投与することでアトピー性皮膚炎の発病が予防できると期待されている。


カテゴリ:アトピー
| Top Page |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。